欧州宇宙機関(ESA)は協定世界時15日14時7分(日本時間15日23時7分)、補給船ATV-4、アルベルト・アインシュタインを国際宇宙ステーション(ISS)へとドッキングさせた。

ATV-4は今月5日(日本時間6日)に南米のギアナにあるギアナ宇宙センターから打ち上げられた無人の補給船で、ISSへ送り届けるため、実験機器や食料、衣類、また酸素や燃料など、合わせて6,607kgもの物資が搭載されている。

ATV-4がドッキングした箇所はつい先日までロシアの補給船プログレスM-19Mが係留されていたところでもあるが、プログレスM-19Mがアンテナの一つが開かないという不具合を抱えたままドッキングしたことで、ATVがドッキング時に使用するレーザー反射器(Laser Retro Reflector, LRR)を損傷させてしまったのではないか、という可能性が指摘されていた。

11日に行われたプログレスM-19Mの分離時に撮影された映像からは、くだんのレーザー反射器周辺に目立った損傷は見当たらなかったが、一方でプログレスのアンテナは目に見えて変形しており、明らかに何かとぶつかったことを示していた。

NASAやESAでは損傷の具合やドッキングの可否について協議が重ねられ、また事前に衝突回避マニューバー(CAM)と呼ばれる、ドッキング直前に不具合が発生しても衝突を回避し、安全な軌道に移すための動作の試験を行うなどした上で、当初の予定通り、15日にドッキングが試みられることとなった。

ATV-4は順調にISSとの距離を縮め、日本時間22時ごろ、問題のレーザー反射器を用いたランデブーを実施するか否かの投票が実施された。その結果「行ける」との判断が下され、ATV-4はさらに距離を詰め、当初の予定時刻よりは若干遅れたものの、大きな問題は発生することなく、協定世界時15日14時7分(日本時間15日23時7分)、ATV-4はISSに到着した。

今後ATV-4は日本時間17日19時30分ごろにハッチが開けられ、物資の積み出しが始まる予定で、また来月10日ごろにはISSの軌道を押し上げるリブーストと呼ばれる運用が実施される予定だ。その後、10月28日にISSで発生したゴミを搭載した状態でISSから出発し、南太平洋上の大気圏に再突入し、処分される計画となっている。

 

■Europe’s largest spaceship reaches its orbital port / ATV / Human Spaceflight / Our Activities / ESA
http://www.esa.int/Our_Activities/Human_Spaceflight/ATV/Europe_s_largest_spaceship_reaches_its_orbital_port