NASAが開発中の火星探査機メイブン(MAVEN: Mars Atmosphere and Volatile EvolutioN)が8日、組み立てを終え、環境試験に入った。

メイブンは今年の11月に打ち上げが予定されている火星探査機で、これまでのように火星を周回する衛星やローバーなどを使って、火星の地表面の調査を行う火星探査とは趣を変え、例えば火星から宇宙空間へ流出し続けている大気の調査、火星の上層大気や電離圏と太陽風との相互作用の調査など、火星の大気に集中した探査を行う計画だ。

環境試験というのは、宇宙空間での熱や真空の状態、ロケット打ち上げ時の振動などを再現できる装置に宇宙機を入れ、造った機体が耐えられるかを試す試験だ。メイブンはロッキード・マーティンが中心となって製造が進められており、現在はコロラド州にある同社の試験施設で、打ち上げ時に受ける音に対する試験が実施されている。この後振動試験、電磁適合性試験、熱真空試験と続く。

うまく試験を通過すれば、メイブンは今年8月にもこの施設を出発し、打ち上げが行われるNASAケネディ宇宙センターへと輸送される。

 

■NASA - NASA's MAVEN Mission Completes Assembly, Begins Environmental Testing
http://www.nasa.gov/mission_pages/maven/news/enviro-test.html