アメリカ航空宇宙局(NASA)は2023年12月12日付で、惑星探査機「ボイジャー1号(Vayager 1)」に搭載されているコンピューターの一部で問題が起きていることを明らかにしました。エンジニアチームが解決に向けて取り組んでいるものの、探査機との通信には往復で2日近くを要することもあり、対策が決まるまでに数週間かかる可能性もあるようです。【最終更新:2023年12月13日11時台】

【▲ アーティストによる惑星探査機「ボイジャー」のイメージ図(Credit: Caltech/NASA-JPL)】
【▲ アーティストによる惑星探査機「ボイジャー」のイメージ図(Credit: Caltech/NASA-JPL)】

問題が起きたのはボイジャーに搭載されているコンピューターの1つ「フライトデータシステム(Flight Data System:FDS)」です。FDSは科学機器で収集された観測データや探査機の状態に関する工学データを収集し、サブシステムの1つ「テレメトリ変調ユニット(Telemetry Modulation Unit:TMU)」を介して地球に送信する役割などを担っています。

NASAによると、ここ最近TMUから送られてくるデータに異常が生じており、分析を進めた運用チームはFDSが原因だと判断しました。発表の前週末にはFDSを問題発生前の状態へ戻すための再起動が試みられたものの、FDSは依然としてTMUと適切に通信できていないとみられており、使用可能な観測データや工学データがボイジャーから届いていないといいます。

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【▲ ボイジャーに搭載されたフライトデータシステム(FDS)(Credit: NASA/JPL)】
【▲ ボイジャーに搭載されたフライトデータシステム(FDS)(Credit: NASA/JPL)】

1977年9月に打ち上げられたボイジャー1号は、2023年12月13日時点で地球から約244億km(約163天文単位)離れたところにあります。地球との通信は片道だけでも22時間34分5秒かかるため、ボイジャー1号に向けて送信したコマンドの返事が届くのは約45時間先となります。また、エンジニアチームが対策を見つけるために参照しているのは、現在直面している問題が予想されていなかった半世紀前に作成されたドキュメントです。そのため、予期せぬ結果を避けるために注意を払いつつ、新たなコマンドが探査機にどのような影響を及ぼすのかを理解するのに時間が必要だといいます。

このような事情により、問題解決に向けた計画が策定されるまでには前述の通り数週間を要する可能性もあるということです。ボイジャー1号の状況については新たな発表があり次第お伝えします。

 

Source

  • NASA - Engineers Working to Resolve Issue With Voyager 1 Computer
  • NASA - Computers in Spaceflight: The NASA Experience

文/sorae編集部

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