露フルニチェフ社とインターナショナル・ローンチ・サービシズ(ILS)社は8日、通信衛星ヤマル402を搭載したプロトンM/ブリーズMロケットを打ち上げたが、衛星を予定の軌道に投入する事ができず、打ち上げは失敗に終わった。

通信衛星ヤマル402を搭載したプロトンM/ブリーズMロケットは、現地時間12月8日19時13分(日本時間12月8日22時13分)にバイコヌール宇宙基地から離昇した。計画では、ブリーズM上段が4回の燃焼を行った後、打ち上げから9時間15分後にヤマル402を分離するはずだったが、ブリーズMの4回目の燃焼が予定より4分早く終了してしまい、予定していた軌道への投入ができなかった。

現在原因の究明が行われていると共に、ヤマル402の救出に向けた計画が検討されている。救出の方法としては、ヤマル402側のスラスターを用いて予定していた静止軌道に投入するということになろうが、この場合ヤマル402の寿命と引き換えになる。静止衛星は静止軌道に留まり続けるために適時スラスターを吹かす必要があり、推進剤の残量がそのまま寿命の長さとなるからだ。

ヤマル402はロシアのガスプロム・コスミチェスキェ・システマ社が運用する通信衛星で、フランスのタレス・アレニア・スペース社によって製造された。東経55度の静止軌道からロシアやCIS諸国、欧州、中東、アフリカの各国に通信サービスを提供する。打ち上げ時質量が4463kgという大型の衛星で、設計寿命は15年を予定していた。

プロトンM/ブリーズMロケットの打ち上げ失敗はこの16ヶ月間で3度目となり、またそのどれもがブリーズM上段に起因している。ILS社は今年最後の打ち上げを後味の悪い結末で終えた。

 

■Commercial Rocket Launch | Yamal 402 | Launch Anomaly | International Launch Services
http://www.ilslaunch.com/newsroom/news-releases/ils-declares-proton-launch-anomaly-yamal-402

最終更新日:2022/11/10

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