米連邦航空局(FAA)は5月30日、ヴァージン・ギャラクティック社(Virgin Galactic)の宇宙船「スペースシップツー(=VSSエンタープライズ)」による高度約100キロメートルへの弾道飛行について、飛行試験の許可を与えたと発表した。

今回の許可について、同社のジョージ・ホワイトサイズ社長(George Whitesides)は「この許可はチームによる打ち上げ試験を可能にし、私たちの顧客を宇宙に送り出すための重要な一歩となるでしょう」と述べている。

スペースシップツーの飛行試験は2010年3月に始まっており、既に80回もの飛行試験や落下滑空試験が行われたが、ロケットエンジンを用いた空中での打ち上げ試験は許可されていなかった。今回のFAAの許可により、早ければ年内にもスペースシップツーの空中打ち上げ試験が実施される見込みだ。

ヴァージン・ギャラクティック社のサブオービタル宇宙旅行は早ければ2013年に、ニューメキシコ州のスペースポート・アメリカで開始される予定となっており、スペースシップツーを載せたホワイトナイトツーは、約1万8000m上空まで上昇した後、スペースシップツーを切り離す。切り離されたスペースシップツーはロケットエンジンを点火し、一気に高度約110kmの宇宙空間へ上昇する。6名の乗客は約5分間の無重力を体験でき、丸い地球を眺めることもできる。

F1ドライバーのミハエル・シューマッハ選手やルーベンス・バリチェロ選手、デザイナーのフィリップ・スタルク氏、イギリスの物理学者スティーヴン・ホーキング博士らが同宇宙旅行を予約しているほか、日本人として、小僧com株式会社の代表取締役会長兼社長である平松庚三氏、元外資系IT企業勤務の稲波紀明氏らも参加する予定となっている。

 

■FAA Launch Permit Gives Virgin Galactic’s Space Vehicles the Green Light for Powered Flight
http://www.virgingalactic.com/news/item/faa-launch-permit-gives-virgin-galactics-space-vehicles-the-green-light-for-powered-flight/