グーグルがスポンサーとなり、Xプライズ財団が運営する月面無人探査コンテストの「Google Lunar X Prize」。民間初の月面探査となるこのプロジェクトですが、日本から参加する「HAKUTO」とKDDIがオフィシャルパートナーとなることが発表されました。今後、KDDIは月面探査ロボットの通信システムをHAKUTOと共同開発することになります。
Google Lunar X Prizeの目的は「2017年までに民間による月面探査を成功」させること。当初は29チームが参加を表明していましたが、現時点では16チームがプロジェクトに参加しています。そして、最初に月面探査に成功したチームには2000万ドル(約23億円)の賞金が支払われます。優勝条件は2017年末までに月面に民間開発の無人探査機を着陸させ、500mを走行させた後に画像や動画のデータを地球に送ることです。
現在HAKUTOは月面探査ロボットの開発を進めていますが、地球との通信には「地上のモバイルデータ通信の周波数」の利用を検討しています。こちらも世界初の試みなんだとか! そして、モバイルデータ通信ならまかせろ!というわけでKDDIが協力することになったのです。また、KDDIは映像の圧縮技術での協力も行ないます。
今後、HAKUTOの月面探査ロボットは2016年6月にフライトモデルを完成させ、2017年〜2018年の打ち上げを検討しています。さらに、Google Lunar X Prizeの経験を活かして月の資源開発にも今後関わっていきたいとのことです。
かつて(そして今でも)惑星や衛星の探査ミッションといえば国家規模の大プロジェクトでしたが、民間企業が作ったロボットが近いうちに月面を探査するという現実に、技術の進歩と人類の宇宙への情熱を感じられずにはいられません。この調子でいけば、いつか民間による月面旅行も実現されるのかな? それすらも、早いか遅いかの問題のような気がしますね!
Image Credit: KDDI
■au×HAKUTO オフィシャルパートナー契約を締結し、Google Lunar XPRIZEに挑戦!
http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2016/03/23/1694.html
■au HAKUTO
http://au-hakuto.jp/
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