国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を届ける、ロシアの「プログレスM-28M」補給船を載せたソユーズUロケットが、7月1日に発射台に設置された。打ち上げは日本時間3日昼すぎの予定。プログレス補給船の打ち上げは、4月に起きた前号機「プログレスM-27M」の失敗以来初めてとなる。

打ち上げ時刻はバイコヌール現地時間2015年7月3日10時55分50秒(日本時間2015年7月3日13時55分50秒)に設定されている。現在のところ、打ち上げに向けた準備作業は順調に進んでいるという。

プログレスM-28Mの船内には、ISSに向けた水や食料、酸素、実験機器、予備部品など、合計2381kgの補給物資が積み込まれている。

ISSとのドッキングは、打ち上げから2日後の日本時間7月5日16時13分に予定されている。

プログレス補給船の打ち上げは、今年4月28日に起きたプログレスM-27Mの打ち上げ失敗以来、初めてのことになる。また昨年10月には米国の「シグナス」補給船が打ち上げに失敗、さらに今年6月28日には、米国の「ドラゴン」補給船も打ち上げに失敗しており、ISSへの補給に滞りが出ている。

米航空宇宙局(NASA)によると、現時点では今年10月までは運用を続けられるだけの物資があるとされ、また今回のプログレスM-28Mや、8月には日本の「こうのとり」5号機の打ち上げによる補給も行われることから、当面は問題ないとしている。しかし、予備として蓄えられていた物資を使うことになるので、運用に余裕が続くことになり、今後さらに補給が失敗することがあれば、ISSを一時的に無人にしなければならない可能性も出てくる。

今回のプログレス補給船の打ち上げでは、4月の失敗の原因となった「ソユーズ2.1a」ロケットではなく、旧型の「ソユーズU」ロケットが使用されるため、成功しても技術的には事故からの復活を意味することにはならないが、プログレスM-27Mの失敗で失われた物資を補給し、ISSの運用を維持し続けるためにも、またロシア宇宙開発の信頼性回復のためにも、重要な意味を持つ打ち上げとなる。

また打ち上げが成功すれば、7月23日に予定されている「ソユーズTMA-17M」宇宙船の打ち上げに向けて、道が開かれることにもなる。ソユーズTMA-17Mには、オレッグ・コノネンコ宇宙飛行士(ロスコスモス)、チェル・リングリン宇宙飛行士(NASA)、そして宇宙航空研究開発機構(JAXA)の油井亀美也宇宙飛行士の3人が搭乗する。

 

■РОСКОСМОС: РН «СОЮЗ-У» с ТГК «ПРОГРЕСС М-28М» ВЫВЕЗЕНА НА СТАРТОВЫЙ КОМПЛЕКС
http://www.roscosmos.ru/21560/