ロシア大統領府やロシア連邦宇宙庁などは1月22日、ロシアの宇宙開発機関であるロシア連邦宇宙庁と、国営の統一ロケット・宇宙会社とを統合させて、新たに国営ロスコスモス社を発足させると発表した。
これは1月21日に、プーチン大統領、メドヴェージェフ首相、ロゴージン副首相らが出席した会議によって決定されたもので、近年ロケットの失敗や人工衛星の故障などが相次いでいるロシアの宇宙開発を立て直し、より強化する狙いがあるという。
ロシア連邦宇宙庁は2004年にそれまでのロシア宇宙庁(1992年から1999年)、ロシア航空宇宙庁(1999年から2004年)を引き継ぐ形で設立された機関で、ロシアの宇宙開発計画を取り仕切ってきた。通称ロスコスモスとも呼ばれ、新たに発足する会社と同じ名前を持っている。
一方の統一ロケット・宇宙会社は、2014年3月5日に誕生したばかりの国営企業で、それまで点在していたロシアの宇宙企業を一挙に束ねる形で発足した。例えばソユーズ宇宙船を製造しているRKKエネールギヤ社、プロトンやアンガラ・ロケットを製造しているGKNPTsフルニーチェフ社、ロケットエンジンを製造しているNPOエネルゴマシュ社などは、この統一ロケット・宇宙会社の傘下に入っている。
またこれに伴い、1月21日付けで、ロシア連邦宇宙庁の長官が、アリェーク・アスターピンカ(オレグ・オスタペンコ)氏から、これまで統一ロケット・宇宙会社の社長を務めていたイーガリ・カマローフ氏へと交代されている。今後のアスターピンカ氏の去就は不明だが、ロスコスモス社の傘下に入る企業の社長などの役職が考えられているという。
ロシアの省庁が企業化するのはロスコスモスが初めてではなく、2007年にはロシア連邦原子力庁が国営ロスアトム社に再編されている。ロスアトム社はロシア国内における原子力発電所の建設を進める一方、国外に対しては原子力の輸出を積極的に行っており、着実に成果を残している。メドヴェージェフ首相はこのロスアトム社の成功例を挙げ、ロスコスモス社に期待していると語っている。
■Роскосмос и ОРКК: создание госкорпорации и ускорение реформы
http://www.federalspace.ru/21255/