チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星への着陸に挑んだ欧州宇宙機関(ESA)の探査機フィラエについて、欧州宇宙機関(ESA)は11月13日、フィラエが彗星表面に脚を付けた状態で撮影した画像を発表した。これにより彗星着陸が成功したことが裏付けられた。
フィラエは11月12日17時35分(日本時間、以下同)に、母機である彗星探査機ロゼッタから分離され、約7時間をかけて彗星に向けて降下した。そして11月13日1時3分、フィラエから彗星表面に到達したことを示す信号が届いた。
当初、着陸は成功し、機体も安定していると発表されたが、その後、機体を彗星に固定させるための銛が発射されていないことが判明し、また当初の着陸位置から移動していること、つまり機体が固定されていないことも判明した。
さらにその後、フィラエの磁力計のデータから、最初に着陸したと思われる時刻である0時33分の後に、2時26分と2時33分にも着陸をしていることが判明した。つまり、最初の着陸後、機体は固定されず、大きく跳ね上がり、約2時間後に再び着陸。そしてさらにまた跳ね、7分後に三度、着陸したということになる。
13日19時過ぎには、ESAはフィラエが彗星の表面で捉えた、地表の写真を公開した。これにより、フィラエの着陸が成功したこと、またフィラエの機能が正常であることが裏付けられた。
また着陸地点の写真には起伏が多く、また影も多く見受けられる。当初、着陸を予定していたのは比較的平らな場所であり、着陸時に跳ね上がったことで、予定とは異なる場所に着陸している可能性が高い。また彗星との固定も行われていないようだ。
ESAによれば現在、着陸地点や、機体の電力や温度などの状態を正確に把握するため、分析を行っているという。
またこのあと、日本時間11月13日22時から、記者会見も開かれる予定だ。
■Space in Images - 2014 - 11 - Welcome to a comet
http://www.esa.int/spaceinimages/Images/2014/11/Welcome_to_a_comet