スペースX社が開発中の再使用ロケット、ファルコン9-Rの第1段部分が初飛行を行った。先日のドラゴン補給船を打ち上げたファルコン9 v1.1ロケットの、第1段の着水実験の成功と併せ、再使用ロケットの実現に向け、着実に成果を積み重ねつつある。

今回の飛行は18日、YouTubeに動画が投稿されて初めて明らかになった。事前に告知はなく、また実験が行われた日付も明らかにされていない。映像にはエキサコプターから撮影されたファルコン9-Rの第1段が映っており、説明文によれば、高度250mまで上昇したとのことだ。

スペースX社では、ロケットの打ち上げコストを従来の1/100にまで下げることを目指し、機体を再使用できるファルコン9-Rロケットの開発を進めている。ファルコン9-RのRとは、Reusable(再使用可能)という意味だ。

昨年まではグラスホッパーと呼ばれる垂直離着陸実験ロケットを使い、8回に渡る飛行実験を重ねて技術を習得。そしてグラスホッパーによる実験は終わり、いよいよファルコン9-Rの実機を使った飛行実験に移行したとのことだ。

今回の飛行では、着陸脚が展開された状態で固定されているが、近いうちに折り畳まれた状態で離昇し、着陸の寸前で展開するようになるという。またこれまでの飛行実験はメキシコ州マクレガーにある、スペースX社の実験施設で行われていたが、今後はニュー・メキシコ州にあるアメリカ宇宙港を使い、より高々度にまで達する飛行実験が行われることになっている。

折しも、スペースX社は先日、ドラゴン補給船運用3号機を搭載したファルコン9 v1.1ロケットの打ち上げにおいて、第1段を大西洋上に上手に着水させ、将来の陸上への軟着陸に向けた先鞭をつけることに成功している。今回のファルコン9-Rの第1段の飛行実験と併せて、再使用ロケットの実現に向け、着実に成果を積み重ねつつある。

 

■F9R First Flight Test | 250m - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=0UjWqQPWmsY