俳優、岩城滉一さんは18日、日本芸能界初の宇宙旅行に挑戦することを発表し、記者会見を行った。そもそも岩城滉一さんが乗る「リンクス・マークI」とはどのような機体なのか。
「リンクス・マークI」はアメリカの民間宇宙開発企業であるエックスコア・エアロスペース社(XCOR Aerospace)が開発している最初の機体だ。ビジネスジェット機よりも小型な有人宇宙船で、パイロット1人と乗客1人の2人乗りである。
ロケットエンジンのみ搭載し、飛行機と同じように離陸した後、空中でロケットエンジンの出力を一気に上げ、高度約60kmを目指す。乗客は約3分間の無重力状態を体験でき、青い地球を眺めることもできるだろう。一回の飛行時間はおよそ45分間で、大気圏再突入で最大4Gに達し、飛行機と同じように着陸する。
「リンクス・マークI」の飛行はサブオービタルである高度100kmの宇宙空間に達しないため、サブサブオービタルとも呼ばれている。また、「リンクス・マークI」に搭乗したとしても、国際航空連盟(FAI)が定義している宇宙空間(高度100km)や、アメリカ連邦航空局(FAA)が定義している宇宙空間(高度80km)に共に達しないため、宇宙旅行者(民間宇宙飛行士)と認められない可能性も高い。
また、「リンクス」の飛行開始時期は不透明だ。「リンクス」によるサブサブオービタル飛行の発表は2008年3月だが、発表から5年以上が経過した今も試験飛行を開始していない。FAAの商業飛行許可を得るには、少なくとも数十回~数百回の試験飛行が必要だと言われている。
ちなみに民間人によるサブオービタル宇宙旅行の実現性が最も高く、ライバルであるヴァージン・ギャラクティック社はスペースシップツーを用いて、2010年から試験飛行を開始し、これまで既に80回以上もの試験飛行をこなしているが、未だに商業飛行を開始できていない。
■Japanese Screen Star Koichi Iwaki to Fly on the XCOR Lynx
http://www.xcor.com/press-releases/2013/13-04-16_japanese_actor_koichi_iwaki_to_fly_aboard_lynx.html