地球観測衛星「LOTUSat-1」を描いた想像図(Credit: NEC)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月12日、NECが受注したベトナムの地球観測衛星「LOTUSat-1(ロータスサットワン)」に関する打ち上げの受託契約が締結されたことを発表しました。打ち上げは2023年に「イプシロンS」ロケット実証機を使って実施される予定です。

NECにとって初の海外向け衛星システムの輸出となるLOTUSat-1は、2018年1月に打ち上げられたレーダー衛星「ASNARO-2」の同型機となる衛星です。ASNARO-2は質量570kgと軽量ながらも、最大1mの分解能を備えた合成開口レーダー(SAR)を搭載しています。

NECはLOTUSat-1の開発と製造だけでなく、打ち上げサービスの調達や衛星開発プロセスに関する現地人材の育成プログラムなども一括で受注。打ち上げ後のLOTUSat-1はベトナム国家宇宙センターに提供され、同国における自然災害の被害低減や予測の高度化に貢献するとされています。

LOTUSat-1の打ち上げに使われるイプシロンSロケットは、2013年の試験機から2019年の4号機までが打ち上げられた「イプシロン」ロケットを発展させたもので、今年度中の打ち上げに向けて開発が進められている「H3」ロケットの固体燃料ロケットブースターと1段目を最大限共通化。電子機器などもH3ロケットと共通化することでコスト削減と信頼性の確保を両立させ、国際競争力を強化するとされています。

また、イプシロンSロケットの開発と主体的な打ち上げ輸送サービス事業に関する基本協定が、JAXAとIHIエアロスペースとの間で締結されたことも同日発表されています。衛星打ち上げビジネスに参入することとなったIHIエアロスペースは、LOTUSat-1の打ち上げを皮切りに宇宙輸送分野での事業拡大を目指すとしています。

 

Image Credit: NEC
Source: JAXA(1) / JAXA(2)
文/松村武宏

 オススメ関連記事