JAXAの探査機が目指す、火星の衛星フォボス
読売新聞は2016年1月4日、JAXA(宇宙航空開発機構)が2022年に火星の衛星「フォボス」に向けて探査機を打ち上げる計画だと報じました。打ち上げには新型ロケット「H3」が利用され、3年後に地球に帰還する予定です。
フォボスとは火星の第1衛星で、1877年に発見されました。サイズは約27kmで、衛星の由来は不明。また、火星の周りにはもう一つ「ダイモス」という衛星も周回しています。フォボスは火星から6,000kmというかなり近い場所を火星の自転より早く周回していますが、そのうち火星に引き寄せられて破壊されてしまう運命なんだとか…。なんだか儚い衛星ですね。
過去には1988年にソ連が探査機「フォボス2号」を打ち上げましたが、こちらはフォボスへ近づく最中に故障してしまいました。しかし、同探査機はフォボスから気体が噴き出していることを確認しています。
JAXAは昨年にも、2020年代に火星の衛星に探査機を派遣して表面の物質を持ち帰る計画を発表していました。小惑星探査機というと衛星「イトカワ」から帰還した「はやぶさ」を思い出しますが、今回の火星の探査機にもはやぶさの経験が活かされるそうです。今回の衛星探査が成功すれば、フォブスの由来や火星から水がなくなった理由が解明されることが期待されています。
火星の過酷な環境が判明するとともに、火星人の発見を期待する声は小さくなってしまいした。しかし昨今は、探査機の派遣によって地球や火星を含めた太陽系の成り立ちを解明しようとしています。2030年代にはNASAによる火星への有人探査も予定されていますし、私達が生きているうちにも火星はぐっと身近な存在になりそうです。
Image Credit: NASA
■JAXA、火星衛星「フォボス」探査…22年に
http://www.yomiuri.co.jp/science/20160104-OYT1T50063.html?from=tw
■フォボス (衛星)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%9C%E3%82%B9_(%E8%A1%9B%E6%98%9F)
■H3ロケット
https://ja.wikipedia.org/wiki/H3%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88