TRAPPIST-1で見つかった7つの系外惑星(TRAPPIST-1b~1h)の想像図と地球(Earth)を描いた比較図(Credit: ESO/M. Kornmesser)

太陽のハビタブルゾーンを周回する地球は生命の存在が知られている唯一の惑星ですが、これまでに4000個以上が発見されている太陽系外惑星に目を向けると、「TRAPPIST-1」のようにハビタブルゾーンを複数の系外惑星が周回している惑星系も見つかっています。今回、恒星のハビタブルゾーンには最大で幾つの惑星が存在し得るのかを算出した研究成果が発表されています。

■太陽のような恒星では最大6つの惑星がハビタブルゾーンに存在する可能性

みずがめ座の方向およそ40光年先にある赤色矮星TRAPPIST-1では地球に近いサイズの系外惑星が全部で7つ見つかっていて、そのうち3つはハビタブルゾーンを周回しているとみられています。TRAPPIST-1を研究していたStephen Kane氏(カリフォルニア大学リバーサイド校)は、恒星のハビタブルゾーンに存在できる惑星の数について疑問を抱いたといいます。

そこでKane氏らの研究グループは、恒星を周回するさまざまなサイズの惑星を再現できるシミュレーションモデルを作成し、重力による相互作用で惑星の軌道が数百万年以上の時間をかけて変化する様子を調べました。その結果、一部の恒星ではハビタブルゾーンに最大で7つの惑星が存在できる可能性が示されたとしています。太陽を含むG型の恒星の場合、最大で6つの惑星がハビタブルゾーンを周回していることも考えられるといいます。

TRAPPIST-1で見つかった系外惑星(上)と太陽系の水星から火星まで(下)の公転軌道を比較した図。TRAPPIST-1では3つの系外惑星(TRAPPIST-1e、同f、同g)がハビタブルゾーンに存在すると考えられている(Credit: NASA/JPL/Caltech)

 

今回行われたシミュレーションでは、それぞれの惑星の軌道が円(真円)に近く、木星のような巨大惑星が存在しないケースにおいて、複数の惑星がハビタブルゾーンを周回したといいます。このことから研究グループでは、太陽のハビタブルゾーンを周回する惑星が少ないのは木星が存在するからではないかと考えています。木星の質量は太陽系の他の惑星の合計質量に対して2.5倍ほどもあり、その強い重力がもたらす影響によって、ハビタブルゾーンに存在できる惑星の数が制限されたのではないかというわけです。

また、研究グループは有望な観測対象のひとつとして、地球からおよそ27光年先にある「りょうけん座ベータ星」に言及しています。りょうけん座ベータ星は太陽によく似た恒星ですが、研究グループが過去の観測データを分析したところ、星から10天文単位(※)以内に土星よりも質量が大きな系外惑星は存在しないことが判明したといいます。今後の観測によって、ハビタブルゾーンを周回する複数の系外惑星の発見が期待されています。

※…1天文単位=約1億5000万km。太陽から地球までの平均距離に由来する

 

関連:赤色矮星TRAPPIST-1の7つの系外惑星、形成から現在まで軌道が乱されていない模様

Image Credit: ESO/M. Kornmesser
Source: カリフォルニア大学リバーサイド校
文/松村武宏

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