静止気象衛星GOES-16によりアメリカ南東部で観測された「スーパーボルト」。全長数百km、約7秒間持続しました。

静止気象衛星GOES-16によりアメリカ南東部で観測された「スーパーボルト」。全長数百km、約7秒間持続しました。(Image Credit: Los Alamos National Laboratory)

アメリカ・ロスアラモス研究所の研究チームは11月12日、NASAなどが運用する静止気象衛星GOES-16宇宙から地球の雷を観測しているFORTE衛星などの観測データから、強烈な雷、「スーパーボルト」を確認したと発表しました。スーパーボルトは最大で通常の雷の1000倍もの明るさがあるといいます。

スーパーボルトが最初に報告されたのは1977年のことでした。アメリカの核実験監視衛星ベェラによって観測されました。このときには通常の雷の100倍ほどの明るさの雷として報告されています。

しかし、研究者達の間ではスーパーボルトの存在について現在まで議論が続いてきました。例えば、衛星からの観測の角度が雷の明るさの測定値に影響を与えたりするためです。

そこで、研究チームは、GOES-16に搭載された「静止軌道雷マッパー」と呼ばれる観測装置の観測データを使い、2018年1月から2020年1月にかけて、アメリカ大陸の上空で発生した雷について詳しく調べました。静止軌道雷マッパーは宇宙から雷の光学的なエネルギーを測定する装置です。そして、ついに、最大で通常の雷の1000倍にもなる明るさの雷、スーパーボルトを確認しました。

さらに、研究チームによれば、FORTE衛星の観測データから、通常の雷は-に帯電した雲と+に帯電した地上との間の放電によって発生しますが、スーパーボルトは+に帯電した雲と-に帯電した地上との間の強烈な放電によって発生すると考えられるといいます。このような特殊な放電は、冬の沿岸地域、特に日本の海岸近くで、よくみられるそうです。

私達日本人も、うかうか安心してはいられないようです。

 

Image Credit:Los Alamos National Laboratory /イラストAC(サムネイル)
Source:ロスアラモス研究所論文1論文2
文/飯銅重幸

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