4000個以上が見つかっている太陽系外惑星のなかには、主星に近すぎるために小さな恒星を上回る温度まで加熱された表面や、地球に近い環境を持っている可能性が大きいといった、大きな特徴を備えたものも幾つかあります。今回、重力の相互作用によって公転周期が整数比に近づく「軌道共鳴」の状態にある5つの系外惑星が見つかったとする研究成果が発表されています。

■内側から外側まで「3:2」の軌道共鳴で結びついた5つの系外惑星

恒星「ケプラー11」を周回する6つの系外惑星を描いたイメージ図。今回発見された5つの系外惑星(および1つの系外惑星候補)も、ケプラー11を周回する系外惑星と同様に、いずれもスーパーアースもしくはミニネプチューンとみられている(Credit: NASA/Tim Pyle)

軌道共鳴とは、ある天体を周回する2つの天体(主星を公転する2つの惑星や、惑星を周回する2つの衛星など)が重力で相互作用した結果、公転周期の比が「2:1」や「3:2」といった単純な整数比に近づく現象です。たとえば、太陽系では海王星に対して冥王星など太陽系外縁天体の一部が「3:2」の軌道共鳴にあることが知られています。

今回、Nathan C. Hara氏(ジュネーブ大学)らの研究チームは、「りゅう座」の方向およそ88光年先にある恒星「HD 158259」の周囲に、地球の2倍~6倍ほどの質量がある5つの系外惑星が見つかったと発表しました。いずれも地球と海王星の中間くらいの質量がある「スーパーアース」もしくは「ミニネプチューン」と呼ばれる系外惑星ですが、特徴的なのはその公転周期です。

最も内側を公転する「HD 158259 b」の公転周期は約2.2日で、すぐ外側にある「同c」は約3.4日、「同d」は約5.2日、「同e」は約7.9日、「同f」は約12日となっています(いずれも地球の1日と比較)。これらの公転周期の比を求めると、軌道が隣り合っている惑星どうしではいずれも「3:2」の整数比に近いことがわかります。研究チームは、HD 158259を公転する5つの系外惑星では「3:2」の軌道共鳴が4組分、内側から外側まで連続して成り立っているものと考えています。

また、今回の研究では存在がはっきりとはしなかったものの、「HD 158259 f」のさらに外側には公転周期が約17.4日の系外惑星がもうひとつ存在するとみられており、仮に「HD 158259 g」と呼ばれています。「HD 158259 f」と「同g」の公転周期の比も「3:2」の整数比に近いことから、同じ比率の軌道共鳴が全部で5組成り立っている可能性が高いとされています。

なお、地球に比較的近いサイズの系外惑星では液体の水や生命の存在が注目されがちですが、太陽よりもやや大きな恒星であるHD 158259に対して5つの系外惑星は非常に近いところを周回していることから、表面温度はどれもかなりの高温に達しているものとみられています。

 

関連:地球に似た系外惑星を300光年先に発見。生存可能領域で大気があれば水も?

Image Credit: NASA/Tim Pyle
Source: NASA
文/松村武宏

 オススメ関連記事