地球から最も近い恒星。生命が存在する可能性の惑星

太陽系から最も近い恒星系である「ケンタウルス座アルファ星」は、僅か4.3光年距離にあります。ハッブル宇宙望遠鏡の広域惑星カメラ「WFPC2」で撮影されたこの画像は、まるで暗闇の中で光るヘッドライトにも見えますね。

ケンタウルス座アルファ星」は3つの恒星からなる三重連星で、画像左の「アルファ星A」と画像右の「アルファ星B」、画像では見えない「アルファ星C(プロキシマ・ケンタウリ)」で構成されています。太陽より少し大きい「アルファ星A」は、太陽と同じG2型で黄色、太陽より少し小さい「アルファ星B」はK1型で橙色に分類されます。

太陽と比較して非常に小さい赤色矮星の「アルファ星C」は「プロキシマ・ケンタウリ」という名称を持つ、太陽系から一番近い恒星です。近年の研究では「プロキシマ・ケンタウリ」を周回する惑星「プロキシマb」が地球によく似た環境を持つハビタブル惑星の可能性があると報じられました。
プロキシマb」の質量は地球の1.3倍、半径は地球半径の0.94〜1.4倍とされ、水は疎か海が存在している可能性があります。豊富な水資源があるとすれば地球外生命体の存在が大きく期待できます。しかし、その詳細を分析するにはまだまだ膨大なデータと調査が必要なのも課題です。

今後の計画としてNASAは、2018年4月に打ち上げた「トランジット系外惑星探索衛星」や、複数回打ち上げが延期され2021年に再設定された「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」を用いての調査を予定しています。

もしかしたら近い将来、地球外生命体について重大な発表がされるかもしれませんね。

▲ハッブル宇宙望遠鏡WFPC2が撮影したプロキシマ・ケンタウリ
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▲プロキシマbから見たプロキシマ・ケンタウリ(イメージ画像)

 

Image Credit:ESA/Hubble & NASA
■Best image of Alpha Centauri A and B

文/sorae編集部