米航空宇宙局(NASA)/ジェット推進研究所(JPL)は1月27日、探査機ドーンが撮影した準惑星ケレスの、最新の画像を公開した。これまでに望遠鏡などによって撮影されたケレスの画像を超える、史上最も鮮明なものだという。

ドーンは2007年9月27日に打ち上げられたNASAの探査機で、小惑星ヴェスタと準惑星ケレスの、2つの星を探索することを目的としている。探査機が2つの天体を訪れ、その軌道に入って探査を行うのは世界初のことだ。ヴェスタとケレスは共に、火星と木星の軌道の間の、小惑星帯の中に位置している。ヴェスタはこの小惑星帯の中で2番目に大きい天体で、ケレスは1番大きな天体で、最大直径は950kmあり、内部には液状の水が存在している可能性もあるという。

ドーンは打ち上げ後、イオン・エンジンを使って航行を開始し、2009年2月に火星をスイング・バイして加速し、2011年7月11日にヴェスタに到着した。そして約14か月にわたって探査を行い、2012年9月5日にヴェスタを離れ、次の目的地であるケレスへ向けてふたたび航行を始めた。2014年12月29日からは「接近フェイズ」に入っており、今年3月6日にケレスへ到着する予定だ。

今回公開された写真は、1月25日にケレスから23万7,000km離れた位置から撮影されたもので、ケレスを撮影した画像の中で、史上最も鮮明なものだという。これまでは2003年と2004年に、ハッブル宇宙望遠鏡を使って撮影されたものが最高のものだったが、今回ドーンが得た画像は、それを30%ほど上回る鮮明さだという。もちろん今後、ケレスに接近するにつれて、その鮮明はより一層増し続ける。

ドーンのプロジェクト・マネージャーを務めるRobert Mase氏は「ケレスは、まだ誰にも知られていない惑星です。私たちはドーンの観測から得られる発見と、そしてその発見を全世界と分かち合えることを、大変楽しみにしています」と語る。

ドーンはケレス到着後、約1年をかけて、ケレスの周囲を回りながら探査を行う予定となっている。その後の計画はまだ未定だが、機器などが正常で、探査機に余力があるようなら、さらに別の星を訪れる可能性もあるという。

 

■JPL | News | NASA's Dawn Spacecraft Captures Best-Ever View of Dwarf Planet
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