医療保険改革法にめぐって米国議会が対立し、新会計年度が始まる10月1日になっても暫定予算が承認されず、米政府は17年ぶりに閉鎖(シャットダウン)した。これに伴い、米航空宇宙局(NASA)では重要な業務に携わる職員(約600人)を除く、ほぼすべての職員(約1万8000人)が自宅待機を命じられている。

NASAのウェブサイトは10月1日より表示できないほか、TwitterやFaceBookなどの更新も停止している。また、オンラインで公開されていた膨大なデータベースのほとんどもアクセスできない状態が続いている。

国際宇宙ステーション(ISS)の運営や衛星の支援業務など、わずかな業務が維持されているだけで、それ以外の業務はほとんど停止した。そして、現在最も懸念されているのが火星探査機「メイブン(MAVEN)」の打ち上げだ。

火星探査機「メイブン」は11月18日に打ち上げられる予定となっており、これまでケネディ宇宙センターで準備作業が続けられていたが、その準備作業も中断された。打ち上げ可能期間は12月7日までとなっているが、主任研究員のブルース・ジャコースキー氏は「事態は極めて深刻で、1日でも早く戻りたい。例え休日返上したとしても今回の打ち上げに間に合わせたい」と話している。

地球と火星は約2年2ヶ月ごとに接近し、火星探査ミッションも約2年ごとにしか打ち上げられないため、もし今回の打ち上げが中止となった場合、次は2016年まで待たなければならないという。

 

■Jet Propulsion Laboratory - NASA
http://www.jpl.nasa.gov/