中国、初の太陽観測衛星を打ち上げ Hαスペクトルを使用した分光器を搭載
太陽観測衛星を搭載した長征ロケット(Credit: CASC)

中国は現地時間10月14日、同国初となる太陽観測衛星「羲和号」(Xihe)の打ち上げに成功しました。

観測衛星は現地時間同日18時51分に、中国内陸部にある太原衛星発射センターから長征2Dロケットで打ち上げられました。また、太陽観測衛星の他に10機の小型衛星も搭載していたということです。打ち上げ後、衛星は無事に予定の軌道へ達したと発表しています。

太陽観測衛星「羲和号」を搭載した長征2Dロケット(Credit: CASC)
【▲ 太陽観測衛星「羲和号」を搭載した長征2Dロケット(Credit: CASC)】

太陽観測衛星「羲和号」は、中国の神話に登場する太陽の女神から名付けられました。この観測衛星はCHASEと呼ばれており、China Hydrogen-alpha Solar Explorerの略称です。

CHASEは、太陽同期軌道517kmから観測を行います。またHαスペクトルを使用した分光器を搭載。これにより、太陽フレアなどの構造や変化などを観測することが可能となっているほか太陽風による現象なども明らかにします。なお2022年には、CHASEに続いて、Advansed Space-born Solar Observatory (ASO-S)という次世代機も打ち上げられる見込みです。

打ち上げに使用された長征2Dロケットは、初めて10機以上の衛星が搭載された形で打ち上げられました(Space News)。また、ロケットの第一段部分には、グリッドフィンが装着されました。これは、アメリカのスペースXが開発するファルコン9ロケットに装着されているものと非常に似ていますが、長征ロケットに取り付けられたものは指定の領域にロケットの機体を制御落下させるためだと推測されています。

 

Image Credit: CASC
Source: CASC/Space News
文/sorae編集部