中国航天科技集団有限公司(CASC)は中国国営の新華社通信の報道を引用する形で、2023年12月14日に再利用型宇宙船を搭載した「長征2F」ロケットの打ち上げに成功したことを翌12月15日付で発表しました。【最終更新:2023年12月26日13時台】

【▲ 参考:再利用型宇宙船の打ち上げに使われたのと同型の「長征2F」ロケット(画像は有人宇宙船「神舟17号」 打ち上げの様子)(Credit: CASC)】
【▲ 参考:再利用型宇宙船の打ち上げに使われたのと同型の「長征2F」ロケット(画像は有人宇宙船「神舟17号」 打ち上げの様子)(Credit: CASC)】

発表によると、打ち上げられた再利用型宇宙船は「再利用可能な技術と宇宙科学技術実験の実証を行い、宇宙の平和利用のための技術支援を行う」ために軌道上で運用された後に、中国国内の着陸施設へ帰還するということです。宇宙船の打ち上げ時刻、打ち上げの様子や機体の写真、ミッションの詳細な目的などは明らかにされていません。

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地球低軌道へ投入された再利用型宇宙船には衛星カタログ番号(Satellite Catalog Number:SATCAT)として「58673」が付与されました。SATCATは宇宙空間の人工物を識別するためにアメリカ宇宙コマンドが付与している番号です。アメリカ宇宙軍の第18宇宙防衛隊(18th Space Defense Squadron)が管理するウェブサイト「Space-Track.org」で公開されている情報によると、宇宙船は2023年12月25日時点で軌道傾斜角49.99度、高度347km×330kmの軌道を周回しています。また、海外の宇宙メディアSpace.comはアマチュア軌道追跡家Scott TilleyさんがX(旧Twitter)に投稿したポストをもとに、打ち上げから4日後に宇宙船から6つの物体が放出された模様だと報じています。

中国による再利用型宇宙船の打ち上げと運用は今回が3回目です。1回目は2020年9月4日打ち上げ・同年9月6日帰還で、ミッション期間は2日間でした。2回目は2022年8月4日打ち上げ・2023年5月8日帰還で、ミッション期間は約276日間と劇的に長くなりました。また、2回目のミッションは1回目から1年11か月後に実施されましたが、今回の3回目のミッションは2回目の帰還から7か月後に打ち上げが行われており、空白期間が短縮されています。

なお、再利用型宇宙船はアメリカでも運用されています。アメリカ宇宙軍とアメリカ空軍迅速能力開発室(Rapid Capabilities Office:RC)が運用する無人軌道試験機「X-37B」はこれまでに6回のミッションを行っており、6回目の「OTV-6」では過去最長となる908日間の軌道滞在を達成しています。X-37Bによる次のミッション「OTV-7」はケネディ宇宙センター39A射点から2023年12月に打ち上げられる予定でしたが、地上設備の問題で延期されており、新たな打ち上げ日時は発表されていません。

【▲ OTV-6ミッションを終えてケネディ宇宙センター打ち上げ着陸施設(LLF)に着陸した米宇宙軍の無人軌道試験機「X-37B」(Credit: Boeing / U.S. Space Force)】
【▲ OTV-6ミッションを終えてケネディ宇宙センター打ち上げ着陸施設(LLF)に着陸した米宇宙軍の無人軌道試験機「X-37B」(Credit: Boeing / U.S. Space Force)】

 

Source

  • CASC – 我国成功发射可重复使用试验航天器
  • CASC – China launches reusable test spacecraft
  • SpaceNews – China launches mystery reusable spaceplane for third time
  • Space.com – China’s space plane apparently deployed 6 ‘mysterious wingmen’ in orbit

文/sorae編集部

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