カザフスタン共和国バイコヌール宇宙基地で1月28日、プロトンM/ブリーズMロケットが200/39発射台に設置された。ロケットの先端にはインマルサット社の通信衛星インマルサット5 F2が搭載されており、2月1日に打ち上げられる予定となっている。

この日ロケットは、現地時間1月28日6時30分に組立・試験棟を出発し、発射台へと移動した。そして垂直に立てられた後、整備や推進剤の補給を行うためのサーヴィス・アームが、ロケットを抱くように設置された。

打ち上げ日時は現地時間2015年2月1日18時31分(日本時間2015年2月1日21時31分)に予定されている。

インマルサット5 F2は、英国に本拠地を置くインマルサット社が運用する通信衛星で、ボーイング・サテライト・システムズ社が製造した。インマルサット5 F2は、グローバル・エクスプレスと呼ばれる、Ka帯を用いた移動体向けに50Mbpsの高速通信サービスを提供するシステムの、全4機の衛星のうちの2機目となる。打ち上げ時の質量は6,070kgの大型衛星で、89基のKa帯トランスポンダーを搭載。設計寿命は15年が予定されている。

プロトンM/ブリーズMは今回、15時間31分にもおよぶ長時間の飛行を行い、インマルサット5 F2をスーパーシンクロナス・トランスファー軌道に投入する。スーパーシンクロナス・トランスファー軌道とは、遠地点(地球からもっとも遠い位置)が静止軌道の高度である36,000kmよりもはるかに高い軌道のことで、それにより静止軌道の傾斜角である0度への軌道変更が、通常の静止トランスファー軌道から行うよりも少ない燃料で可能となり、衛星側の搭載燃料を節約できるという利点がある。

 

■Ракета-носитель «Протон-М» с космическим аппаратом «Инмарсат-5Ф2» вывезена на стартовый комплекс
http://www.roscosmos.ru/21265/

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