中国国家航天局(CNSA)は10月25日、技術試験衛星「実践十六号」を搭載した、長征四号乙(CZ-4B)ロケットを打ち上げた。事前に告知などがない中での突然の打ち上げであり、また長征四号乙が酒泉衛星発射センターから打ち上げられたのは今回が初めてであったこと、そして実践シリーズはもともと謎の多い衛星であることから、今回の打ち上げは大きな話題を呼んでいる。

実践十六号を搭載した長征四号乙は、北京時間10月25日11時50分(日本時間同日12時50分)、甘粛省にある酒泉衛星発射センターから離昇、その後打ち上げは成功したと発表された。また米戦略軍の宇宙監視ネットワークも、高度599km x 616km、傾斜角74.98度の軌道に実践十六号が乗ったことを確認した。

国営メディアによれば、実践十六号は宇宙環境の観測と、技術試験に使われるとされるが、それ以上の詳細は不明である。実践シリーズは以前から軍事衛星、もしくはその試験機であるとの噂が根強く、今回の実践十六号もまた、レーダー衛星ではないかとする説がある。

また今回初めて、長征四号乙の打ち上げ場所として酒泉衛星発射センターが選ばれたことについては、おそらく衛星の質量や軌道の傾斜角の要求が関係していると思われる。

 

■我国成功发射实践十六号卫星 用于环境探测和试验
http://www.gov.cn/jrzg/2013-10/25/content_2515188.htm