ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)は5月13日、ロシア連邦の極東で建設が進んでいる新しいロケット発射場「ヴァストーチュヌィ宇宙基地」について、今年7月にもソユーズ2ロケット用の発射施設が完成するとの見通しを発表した。

現在、同発射施設の完成度は約60%とされる。7月の完成後、予定では今年12月にも、最初の打ち上げが実施されることになっている。

ヴァストーチュヌィ宇宙基地は、ロシア極東のアムール州で建設が進められている新しい宇宙基地で、完成後はカザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の能力を引き継ぎ、静止衛星や有人宇宙船の打ち上げ場所として使われることが計画されている。ソユーズ2ロケットとアンガラ・ロケット用の複数の発射台が建設される他、宇宙飛行士の訓練センターや空港、ロケット推進剤の精製プラントなど、多くの機能を持つ施設になるという。

バイコヌール宇宙基地はもともとソヴィエト連邦内にあったが、ソ連崩壊後はカザフスタン共和国のものになり、ロシアはバイコヌール宇宙基地を引き続き利用するため、カザフスタンに対して年間100億円以上もの賃料を払い続けている。

ヴァストーチュヌィ宇宙基地が完成すれば、カザフスタンに依存することなくロケットの打ち上げが可能となる。ただ、バイコヌール宇宙基地からの完全な撤退がいつになるかはまだ不明だ。

また、建設を巡っては遅れが続いている他、ロシアのメディアによると、建設会社による資金の横領や、作業員への賃金の未払いと、それに伴うストライキが起きているなど、さまざまな問題が発生していることが報じられている。

 

■РОСКОСМОС: СТАРТОВАЯ СИСТЕМА «ВОСТОЧНОГО» ДОЛЖНА БЫТЬ ГОТОВА К ИЮЛЮ
http://www.roscosmos.ru/21484/