スペースデブリの除去サービスを検討しているアストロスケール社は、日本時間8月26日深夜、デブリ除去技術実証衛星「ELSA-d」を用いた模擬デブリの再捕獲に成功したと発表しました。
今回行われた実証実験では、「サービサー」と呼ばれるデブリ捕獲機が磁石を用いた捕獲機構を使用し、「クライアント」という模擬デブリを捕獲しました。これにより運用終了した衛星をサービサーが捕獲できることが証明されました。今後は次のフェーズである、サービサーの自律制御機能を用いた非回転状態のクライアントの捕獲を目指すということです。
ELSA-dは今年3月22日にカザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地から、ソユーズロケットに搭載されて打ち上げられました。打ち上げ時、サービサーとクライアントは、専用機構により固定されていました。今回、実証開始に伴い、固定機構を解除したということです。そして捕獲機構のみでクライアントと結合している状態にしました。その後、クライアントがサービサーから切り離されて、捕獲され、実証が成功したということです。この実証は、ELSA-dのフェーズ3aであり、次はフェーズ3bを遂行します。フェーズ3bではサービサーの自律制御機能を用いて、クライアントに接近・捕獲を行う予定です。
アストロスケールの創業者・CEOはである岡田光信氏は「捕獲機構の機能を証明することができたことを大変嬉しく思います。分離と再捕獲を実証したことは、複数デブリ除去技術の礎にもなります。宇宙の持続利用に向けて大きな扉を開きました。」とコメントしています。
Image Credit: Astroscale
Source: Astroscaleプレスリリース/ELSA-dプレスキット2021(日本語版)p7
文/出口隼詩