(引用元:sorae)
- Image Credit: ESA/Hubble, NASA, A. Simon (GSFC) and the OPAL Team, J. DePasquale (STScI), L. Lamy (Observatoire de Paris)
- sorae - ガス惑星の上層大気をオーロラが加熱していることが明らかに
こちらは、soraeが2020年4月7日の記事内で紹介した、ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された土星の画像です。(※北半球に写っているオーロラと土星は別々に撮影されたもので、2つを重ねた合成画像となっています)
木星や土星といった太陽系のガス惑星は地球よりも太陽から遠く、得られるエネルギーも少なくなります。木星や土星にも地球の様に熱圏は存在しているのですが、その温度は遠い太陽から受け取るエネルギーだけでは説明することができません。
研究者は、土星探査機カッシーニが取得した観測データをもとに、土星の熱圏が加熱される仕組みを分析しました。その結果、土星の南北両極に発生するオーロラ周辺の大気が、予想よりも高温に加熱されていることを突き止めました。
オーロラによって上層大気が加熱され、風によって赤道付近にも熱が運ばれることで、土星の熱圏の温度が太陽エネルギーを受け取るだけの場合よりも高い温度になっている可能性があるといいます。
探査機カッシーニ&ホイヘンスのドキュメンタリー動画
(NASAが公開した、探査機カッシーニとホイヘンスのドキュメンタリー動画『土星での偉業』(前編)。音声は英語ですがYouTubeの翻訳機能により日本語字幕で視聴可能)
【熱圏(thermosphere)】
地球の大気の温度は高度によって変化します。高度約80kmから始まる熱圏では太陽からの紫外線やX線が吸収されるため、高度が上がるにつれて温度も上がっていきます。
【カッシーニ(Cassini)】
NASAとESAの土星探査機。2017年4月から9月にかけて探査終盤のミッション「グランド・フィナーレ」(土星のかなり近くまで接近する軌道を周回しながら行われた観測)が実施された。