ロシアのRIAノーヴァスチは4月24日、ブラジルとウクライナが共同で進めていたロケット計画が中止されたことを受け、ロシアのドミートリィ・ロゴージン副首相がブラジルに対し、ウクライナに代わりロケット発射場建設を支援できる用意があると提案したと報じた。
ブラジルとウクライナは2003年から、「ツィクローン4」(サイクロン4)という共同ロケット計画を進めていたが、ブラジル政府は今年1月に、資金難などを理由に計画を中止する決定を下したと報じられている。
これを受け、ロゴージン副首相はブラジルに、ツィクローン4ロケットを打ち上げるための宇宙センターの建設を支援することを提案したという。
ブラジルにはすでにロシアの全地球航法システム「GLONASS」の地上局があり、また昨年7月にはプーチン大統領が宇宙開発におけるブラジルとの協力をより深くしたいとの期待を表明している。
ツィクローン4計画は、ブラジルにあるアルカンタラ発射場から、ウクライナが製造するツィクローン4という名前のロケットを打ち上げることを目指していたものだ。ブラジルは宇宙ロケットの技術をまだ持っていないが、静止衛星の打ち上げに適した赤道に近い位置に発射場を持つ。一方、ウクライナは宇宙ロケット技術は持つが、自国内にロケット発射場を持たない。この計画は両者の欠点を補い合う意味もあった。
計画は2003年から始まり、当時は2007年の初打ち上げを目指していたが、資金難などが理由で計画は遅れ続け、ウクライナ側が担当するロケットの開発はほぼ完了しているものの、ブラジル側が担当する発射台や周辺設備は未完成のままであった。また完成しても国際競争力が見込めないことや、ツィクローン4の第1段と第2段に使っているロシア製のロケットエンジンが、昨今のロシアとウクライナの対立により入手しにくくなったことなどを理由に、中止が決定されたと報じられている。
■Рогозин: Россия готова помогать Бразилии развивать космодромы | РИА Новости
http://ria.ru/space/20150424/1060664227.html