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NASA(アメリカ航空宇宙局)は2026年11月4日付で、22年近くにわたって地球を周回してきたガンマ線観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト(Neil Gehrels Swift)」が大気圏に再突入したと発表しました。

NASAのガンマ線観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト(Neil Gehrels Swift)」のCGイメージ(Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center Conceptual Image Lab)
【▲ NASAのガンマ線観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト(Neil Gehrels Swift)」のCGイメージ(Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center Conceptual Image Lab)】

インドネシア上空で大気圏に再突入

NASAによると、スウィフトは日本時間2026年11月4日21時39分に、インドネシアの北スマトラ州上空、北緯約3.4度・東経約98.6度付近で大気圏に再突入したことがアメリカ宇宙軍によって確認されました。

機体の大部分は大気圏を通過する際に燃え尽きるとNASAは予想していましたが、一部の部品は燃え尽きずに残った可能性もあるとしています。

NASAは軌道上昇を計画も断念

軌道を変更するためのエンジンが備わっていないスウィフトは、低軌道に投入されてから22年にわたって希薄な大気の抵抗を受け続けてきました。当初は高度約600kmの軌道を周回していたものの、近年は活発な太陽活動の影響もあって急速に高度が低下。そこでNASAは、民間企業の宇宙機を使ってスウィフトの軌道を上昇させる計画を進めてきました。

2026年2月以降は3つの望遠鏡による科学観測を順次休止し、大気の抵抗が小さくなるようにスウィフトの姿勢を変更して宇宙機の到着を待っていましたが、宇宙機の姿勢制御に問題が発生したことを受けて、同年8月に軌道上昇を断念。スウィフトの大気圏再突入は不可避となっていました。

残された時間を活用するため、NASAは2026年8月下旬にスウィフトの科学観測を再開。すると、大気の抵抗が増したスウィフトの高度は再び急速に下がり始めました。

2026年10月20日には、スウィフトの高度は約275kmまで低下。大気の抵抗の増加に対応しきれなくなったスウィフトは、セーフモードに移行しました。NASAによると、この高度では大気の抵抗が大きく、望遠鏡を観測対象へ安定して向け続けることができなくなるといいます。

その後は大気圏再突入に備えて、ペンシルベニア州立大学の運用チームがスウィフトの運用を事実上終了させるコマンドを送信していたということです。

ガンマ線バーストを追った22年間

スウィフトは、宇宙で最も強力な爆発とされる「ガンマ線バースト」を調べるために、2004年11月20日に打ち上げられました。NASAによると、スウィフトは20年以上にわたる運用の間に2000以上のガンマ線バーストを観測し、そのデータは約7000本の論文に貢献したといいます。

スウィフトのミッションは終わりを迎えましたが、残された観測データはこれからも宇宙の謎に挑む研究に役立てられていくことでしょう。

 

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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参考文献・出典