こちらは、ハワイのマウナケア山頂にあるジェミニ北望遠鏡が観測した相互作用銀河「NGC 7253」。ペガスス座の方向、地球から約2億2000万光年先にあります。

重なり合い複雑な模様を描く2つの銀河
NGC 7253はもともと独立した2つの渦巻銀河でしたが、互いに重力を介して相互作用し、数十億年をかけて1つの銀河へと姿を変えていく途中の天体です。もとの渦巻構造は互いの重力で大きく引き伸ばされてほとんど見分けがつかず、2つの銀河は淡い霧のような光に包まれた1つの塊のように見えています。
2つの銀河が重なる部分には、オレンジ色や赤みを帯びた筋状の模様が伸びています。これは「電離水素領域」や「HII(エイチツー)領域」と呼ばれるもので、若い高温の星々が放つ強い紫外線によって電離した水素ガスが、特有の赤い光を放っている場所です。銀河どうしの重力相互作用によってガスや塵(ダスト)でできた雲が圧縮されることで、短期間に多数の星が形成される現象「スターバースト」が起きていることを示しています。
ハワイの高校生たちが付けた新たな名前
今回、ジェミニ北望遠鏡の教育プログラム「プロジェクト・ホークーラニ(Project Hōkūlani)」に参加したハワイの高校生が、NGC 7253に「Nā ʻUhane Māhoe Huki Pū i ke Ola(ナー・ウハネ・マーホエ・フキ・プー・イ・ケ・オラ)」というハワイ語の名前を贈りました。日本語では「生命を生み出すために引き合う双子の魂」といった意味になります(※)。
名付けたのは同プログラムで2026年6月からインターン生として参加している3名で、互いに引き合う2つの銀河の姿と、インターン生自身が夏の体験を通じて得た成長を重ね合わせた名前だといいます。
同プログラムにインターン生として2025年10月から参加し、観測対象としてNGC 7253を選んだ1人でもあるRaiyan Rahmanさんは、「マウナケアで多くの時間を過ごしてきたからこそ、文化的にも天文学的にも意味のある天体を選びたいと思いました」と語っています。
重力を介した相互作用によって形を変えつつ長い時間をかけて一体となっていく2つの銀河の姿には、今回贈られた名前が示す通り、星々という“生命”を育んでいく壮大な営みを感じます。
冒頭の画像はNOIRLabから2026年9月1日付で公開されています。
※…ハワイ語のカナ表記は編集部による。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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