アメリカのSpaceX(スペースX)社は日本時間2026年9月28日から29日にかけて、開発中の再使用型ロケット「Starship(スターシップ)」による第14回飛行試験を実施しました。
Starship初の地球周回飛行とペイロードの軌道投入に成功
アメリカ・テキサス州のStarbase(スターベース)から日本時間2026年9月28日21時48分(アメリカ中部夏時間同日7時48分)にリフトオフしたStarshipは、約2分30秒後頃に1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」ブースターと2段目のStarship宇宙船が分離しました(※リフトオフからの時刻等の情報はSpaceXのライブ配信を参照して確認、以下同様)。
リフトオフの約7分17秒後にはStarship宇宙船に搭載されている6基のエンジンのうち真空用エンジン1基が停止したものの、約8分22秒後にはサブオービタル軌道(弾道軌道)に入ることに成功。飛行管制チームは以後の運用に必要となる3基の海面高度用エンジンが正常と判断し、このうちの1基をリフトオフの約25分19秒後から約14秒間噴射して、Starship宇宙船を高度約276kmで地球周回軌道へ投入することに成功しました。
管制飛行に入ったStarship宇宙船は、SpaceXの衛星インターネットサービス「Starlink(スターリンク)」用の第3世代衛星「Starlink V3」全26機を、リフトオフの約35分00秒後から順次放出して地球周回軌道へ投入することに成功。リフトオフの約2時間12分18秒後にはエンジンの1基を使用した約8秒間の軌道離脱噴射を行って大気圏へ再突入し、リフトオフの約3時間8分30秒後に北太平洋へ着水して飛行を終えました。
一方、Super Heavyブースターはリフトオフの約6分56秒後にメキシコ湾へ着水しました。第3世代Starshipによる飛行が始まった2026年5月の第12回飛行試験と2026年7月に実施された第13回飛行試験では帰還時のエンジン燃焼に問題があり、予定よりも速い速度で海面に到達していましたが、今回は11基(計画では13基)→5基→3基と予定通り段階的に稼働エンジン数を絞り込んでいく着陸噴射に成功し、より穏やかに海面へ到達することに成功しています。
Starshipの実用化に向けて大きな節目となった飛行試験
今回の第14回飛行試験ではStarship宇宙船が初の地球周回飛行に成功し、Starshipの実用化に向けた大きな節目を迎えました。実際のサービス提供で使用されるStarlink衛星の軌道投入にも成功しており、開発中の段階ながらも初めて衛星の打ち上げに成功した飛行だったと言えます。
ただ、上昇中に1基のエンジンが停止したStarship宇宙船は、およそ10時間かけて地球を約6周する予定だった地球周回飛行を短縮して帰還することになりました(※早期に帰還する可能性そのものはあらかじめ想定済み)。
また、今回使用されたStarship宇宙船とSuper Heavyブースターは飛行後に喪失していますが、実用化段階ではどちらも発射台のアームでキャッチして回収する計画です。これまでに3回の発射台帰還に成功しているブースターに加えて、今後は宇宙船の発射台帰還成功というハードルを乗り越える必要もあります。
Starship第14回飛行試験については、SpaceXから新しい情報が発表され次第お伝えします。
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文・編集/sorae編集部
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