こちらは、ESO(ヨーロッパ南天天文台)の「VLT(超大型望遠鏡)」で観測した反射星雲「NGC 2023」。オリオン座の方向、地球から約1300光年先にあります。

オリオン座の三つ星のひとつ「アルニタク」(オリオン座ζ(ゼータ)星)の近くには、暗黒星雲「馬頭星雲」や散光星雲「火炎星雲(NGC 2024)」といった有名な星雲があります。
NGC 2023もそんな星雲のひとつで、馬頭星雲などのすぐ近くに位置しています。ESOによると、NGC 2023は地球から見える反射星雲のなかでも最大級のひとつです。
若く高温の星に照らされた塵
反射星雲は、星間空間に漂う塵(ダスト)が、近くにある星の光を反射することで輝いて見える星雲です。塵は波長の長い赤い光よりも、波長の短い青い光を散乱しやすいため、反射星雲は青みを帯びて見えることが多いのです。
NGC 2023を照らしているのは、画像に向かって中央のやや右上で明るく輝く星「HD 37903」です。ESOによると、HD 37903は質量の大きな若い星で、表面温度約6000度の太陽と比べて数倍も高温です。この星が放っている明るく青白い光が、NGC 2023の美しい乳白色の輝きを生み出しているといいます。
新たな星が生まれる場所
ESOによると、反射星雲はしばしば星が誕生する場所になっていて、周囲よりもはるかに密度の高いガスの塊が点在しています。高密度のガスの塊は重力によって互いに引き寄せ合って合体し、やがて新たな星を生み出します。
NGC 2023もまた、新たな星が生まれる星形成領域のひとつです。過去の研究によると、NGC 2023を輝かせているHD 37903は、誕生して間もない20~30個の星を含む星団のなかでも一番重い星だといいます。青白く輝くNGC 2023は、若い星々が生まれ育つ“星のゆりかご”の姿を映し出しているのです。
この画像は、ESOの「コズミック・ジェム・プログラム(Cosmic Gems Programme)」のもとで取得したデータを使って作成されました。ESOによると、同天文台が公開してきた画像の多くは科学観測を目的として取得したデータを使って作成されてきましたが、その多くは必ずしもカラー画像の作成には向いていません。そこで、教育や広報を目的とした画像を作成するためのデータを取得するべく、ESOの広報部門によってこのプログラムが立ち上げられました。
冒頭の画像はESOから2019年5月13日付で公開されたもので、ESOの公式SNSアカウントが2026年11月3日に改めて紹介しています。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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