火星と木星の間にある小惑星帯で最大級の42個の小惑星(Credit:ESO/M. Kornmesser/Vernazza et al./MISTRAL algorithm (ONERA/CNRS))

【▲ 火星と木星の間にある小惑星帯で最大級の42個の小惑星(Credit: ESO/M. Kornmesser/Vernazza et al./MISTRAL algorithm (ONERA/CNRS))】

冒頭の画像は、岩石のカタログのようにも見えますが、火星と木星の間に位置する小惑星帯に含まれる、最大級の小惑星42個を一覧化した画像です。いわば小惑星「カタログ」です。

この画像は、チリにあるヨーロッパ南天天文台(ESOEuropean Southern Observatory)の超大型望遠鏡(VLTVery Large Telescope)を使用して撮影されました。小惑星のグループがこれほど鮮明に画像化されたことは過去に例がありませんでした。

今回の観測では、球状のものから「犬の骨」のようなものまで、小惑星の特異な形状が明らかになり、天文学者が太陽系内の小惑星の起源を追跡するのに役立っています。

42個の内、ほとんどはサイズが100㎞を超えています。特に、小惑星帯にある200㎞を超える23個の内20個が画像化されています。最も大きな天体は、直径が約940kmのセレス(Ceres)と約520kmのベスタ(Vesta)で、最も小さな天体は、直径が約90kmのウラニア(Urania)とアウソニア(Ausonia)です。

研究チームは、天体の形状を再確認することで、観測された小惑星が主に2つのファミリーに分類されることを明らかにしました。ヒギエア(Hygiea)やセレスのようにほぼ完全な球形のものもあれば、「犬の骨」とも呼ばれるクラオパトラ(Kleopatra)のように、独特の「細長い」形をしたものもあります。

関連:特徴的な形の小惑星「クレオパトラ」をこれまでになく鮮明に観測することに成功

また、小惑星の形状と質量の情報を組み合わせることで、サンプルによって密度が大きく変化することを発見しました。ランベルタ(Lamberta)とシルビア(Sylvia)を含む4つの小惑星は密度が最も低く、約1.3 g/cm3で、石炭の密度とほぼ同じです。一方、最も密度が高いのはプシケ(Psyche)とカリオペ(Kalliope)で、それぞれ3.9 g/cm34.4 g/cm3であり、ダイヤモンドの密度(3.5 g/cm3)よりも高くなっています。

この密度の違いは、小惑星の組成が大きく異なることを示唆しており、天文学者は小惑星の起源について重要な手がかりを得ることができます。チェコのプラハにあるカレル大学(Charles University)の天文学者Josef Hanuš氏は、次のように述べています。

「今回の観測結果は、小惑星が形成されてからかなりの時間をかけて移動してきたことを強く裏付けています。特に、最も密度の低い小惑星は、海王星の軌道を越えた遠隔地で形成され、現在の場所に移動してきたという説を裏付ける結果となっています」

eso2114f(Credit:ESO/M. Kornmesser/Vernazza et al./MISTRAL algorithm (ONERA/CNRS))

こちらの画像は「小惑星カタログ」をポスター化したものです。軌道は実際の縮尺ではありませんが、なかなか見応えがありますね。

 

Image Credit: ESO/M. Kornmesser/Vernazza et al./MISTRAL algorithm (ONERA/CNRS)
Source: ESO / 論文
文/吉田哲郎

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