NASA(アメリカ航空宇宙局)は2026年11月4日、アメリカ・フロリダ州のNASAケネディ宇宙センターで開かれた陸・海・空・宇宙の移動技術を扱うイベント「UP.Summit」にて、新たな有人実験機となる「X-70 Fractal(フラクタル)」を発表しました。

Xプレーンの新たな一員となる「X-70」
「X」から始まる名称を与えられたアメリカの実験機は「Xプレーン」と呼ばれ、新しい技術を実際の飛行でテストする役割を担ってきました。
1947年に初めて音速の壁を破ったことで知られる「X-1」や、極超音速の研究機「X-15」はその代表例です。最近では2025年10月にNASAの超音速実験機「X-59」が初飛行を迎えており、静かな超音速飛行の実証に向けて試験飛行を重ねています。
今回発表されたX-70は、このXプレーンの系譜に加わる最新の機体となります。
実験装置を載せ替えて様々なテストを実施可能
NASAによると、X-70は機体の内部と外部に最大2000ポンド(約900キログラム)の実験装置を搭載できる研究用のプラットフォームとして設計されており、これによって幅広い研究や飛行試験の機会が得られるといいます。
NASAのJared Isaacman長官は、モジュール式の設計と、内部・外部の搭載物を素早く入れ替えられる能力によって、研究チームは飛行と学習の歩みを止めることなく、ひとつの実験から次の実験へとすばやく移行できると述べています。
X-70が担う研究は、搭載する実験装置によるものだけではありません。機体そのものも素早く構成を変えられる高度な飛行制御技術を備えており、この技術によってこれまで有人飛行では実証されたことのない形で航空機の機動性を探るとNASAは述べています。ただし、その具体的な仕組みについては今回の発表では明らかにされていません。
NASAは、X-70の性能によってこうした研究を幅広い飛行条件のもとで行えるとしています。X-70の離陸重量は1万ポンド(約4.5トン)で、マッハ0.75での巡航、高度4万5000フィート(約1万3700メートル)までの上昇、約1500海里(約2800キロメートル)を超える航続距離を見込んで設計されています。
初飛行は2年以内の見込み
Isaacman長官はまた、X-70は今後2年以内にNASAのもとでの初飛行が見込まれており、航空分野における新たな始まりの一部にすぎないとアピールしています。その一方で、今回の発表では機体の製造を担当する企業や開発の進捗状況は明らかにされておらず、公開された画像もNASAが「生成画像(generated image)」と注記したイメージ画像のみとなっています。
空の限界に挑み続けてきたXプレーンの新たな1機となるX-70、その能力と成果が今から注目されます。
文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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