NASA(アメリカ航空宇宙局)は2026年10月13日付で、2027年に実施予定の「Artemis III(アルテミスIII)」ミッションの準備状況を発表しました。打ち上げに使われるロケットの組み立てが節目を迎え、機体が初めて射点へ向かう日も近づいています。
2基の固体燃料ロケットブースターが完成
アルテミスIIIは、有人宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」と、Blue Origin(ブルー・オリジン)およびSpaceX(スペースX)が開発中の月着陸船「HLS(有人着陸システム)」の試験機とのランデブーやドッキングを、地球低軌道で実証するミッションです。2028年予定の「Artemis IV(アルテミスIV)」で行う有人月面着陸に向けて、両社が開発したHLSの能力を確かめる役割を担います。
オリオン宇宙船の打ち上げには、NASAの大型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」が使われます。今回組み立てが完了したのは、SLSの1段目にあたるコアステージに2基取り付けられる固体燃料ロケットブースターです。2基のブースターがリフトオフ時に生み出す推力は、SLS全体の推力のうち75%以上を占めるといいます。
各ブースターは、ノズル部分、推進剤を充填した5つのセグメント、先端部分といった各部分を、下から上へと順番に積み重ねるようにして組み立てられます。NASAによると、アメリカ・フロリダ州にあるケネディ宇宙センターのVAB(ロケット組立棟)では、2026年7月上旬から移動式発射台の上でブースターの積み上げ作業が進められ、同年9月30日に先端のノーズコーンが取り付けられました。

組み立て途中のSLSとクルーが射点へ
NASAによると、今後数週間のうちにコアステージとブースターが結合され、NASAが「ショートスタック」と呼ぶ構成が完成します。ショートスタック状態のSLSは今後数か月のうちにケネディ宇宙センターの39B射点へと運ばれ、推進剤の充填と時間配分の訓練が行われる予定です。
また、SLSが射点に設置されている期間には、クルーによる打ち上げ当日のリハーサルも予定されています。NASAのRandy Bresnik宇宙飛行士、Frank Rubio宇宙飛行士、Andre Douglas宇宙飛行士と、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)のLuca Parmitano宇宙飛行士の4名は、宇宙服を着用した上で射点に向かい、緊急時の退避経路を実際に歩いて確認するということです。
月着陸船の試験機とオリオン宇宙船が実際にドッキングするアルテミスIIIミッション。宇宙船を打ち上げるSLSと、宇宙船に乗って地球低軌道へ向かうクルー、そして打ち上げを支えるチームが、そろって射点で訓練に臨む段階が見えてきました。

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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