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【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:NASA)

こちらは、NASAが2020年7月7日に公開した、小惑星「プシケ(16 Psyche)」の想像図です。火星と木星の間に広がる小惑星帯に位置するプシケは、鉄やニッケルなどの金属を豊富に含むと考えられています。

金属を豊富に含むと考えられている小惑星「プシケ」の想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU)
【▲ 金属を豊富に含むと考えられている小惑星「プシケ」の想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU)】

2026年10月13日は、この小惑星を目指すNASAの探査機「サイキ(Psyche)」が打ち上げられてから、ちょうど3年にあたります。サイキは日本時間2023年10月13日23時19分、アメリカのケネディ宇宙センターから、スペースXの「ファルコン・ヘビー」ロケットで打ち上げられました。

NASAの小惑星探査機「Psyche(サイキ)」の想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU)
【▲ NASAの小惑星探査機「サイキ」の想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU)】

Psycheは、プシケ?サイキ?

小惑星「プシケ」と探査機「サイキ」は、どちらもアルファベットでは「Psyche」と表記します。小惑星の名前はギリシャ神話に登場するプシケに由来し、探査機にも目的地と同じ名前が付けられています。

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日本語では、天体名をラテン語に沿って読む一方、探査機やミッションの名前は、実施国の言語の発音に沿って表記することがあります。soraeでは、小惑星名をラテン語の読み方に沿った「プシケ」、探査機やミッション名を英語の発音に沿った「サイキ」と書き分けています。

「1000京ドルの小惑星」は本当?

プシケは、含まれている金属の価値が「1000京ドル」に達するとも試算され、話題になりました。2017年のGlobal Newsの記事では、ミッションの主任研究員を務めるLindy Elkins-Tanton氏が、鉄だけでそれほどの価値になると試算したことが紹介されています。

数字で書くと、10,000,000,000,000,000,000ドル。1ドル=150円で換算すれば、1,500,000,000,000,000,000,000円(150垓円)になります。

ただし、これは金属の量を仮定し、地球上の価格で換算した試算です。実際に採掘して得られる利益や、小惑星そのものの売買価格を示しているわけではありません。金属を取り出して地球へ運ぶ費用も含まれておらず、大量の金属が市場に供給されれば、その価格も変わるでしょう。

そもそも、プシケがどれほどの金属を含んでいるのかも、まだ確定していません。かつては大部分が金属でできた天体と考えられていましたが、2020年に発表された研究では、観測データや隕石のデータ、微惑星の形成モデルをもとに、金属が体積の約30~60%を占めると推定されました。NASAの現在の解説でも、プシケは岩石と金属が混在する天体である可能性が高いとされています。

2029年、プシケの本当の姿へ

サイキの目的は、金属の採掘ではなく科学探査です。プシケの組成や構造を調べ、どのように形成された天体なのかを明らかにすることを目指しています。

サイキは2026年5月15日に火星へ接近し、その重力を利用して速度と進路を変える「スイングバイ」を実施しました。現在は、2029年8月の到着を目指してプシケへ向かっています。

NASAのPsyche探査機が2026年5月2日から5月15日にかけて撮影した火星の合成画像(Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU)
【▲ NASAの探査機サイキが2026年5月2日から5月15日にかけて撮影した火星の合成画像(Credit: NASA/JPL-Caltech/ASU)】

到着後は小惑星の周囲を回りながら、表面の撮影や元素組成、磁場などの観測を行う予定です。プシケは、初期の太陽系で形成された「微惑星」の金属質のコア(核)が、一部残った天体である可能性があります。もしそうであれば、直接見ることのできない地球などの岩石惑星の内部や、その形成過程を知る手がかりになるかもしれません。

一方で、微惑星のコアではなく、金属を豊富に含む物質から形成された別の種類の天体である可能性もあります。

金属はどれほど含まれているのか。そして、かつての微惑星のコアなのか。プシケへの到着まで、あと約3年。まだ間近から見たことのないこの小惑星の姿が、実際の観測によって明らかになる日が楽しみです。

 

編集/sorae編集部

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参考文献・出典

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