
(引用元:NASA)
こちらは、NASAの惑星探査機「パイオニア11号(Pioneer 11)」が、1979年8月、土星への接近中に撮影した画像です。パイオニア11号は同年9月、探査機として史上初めて土星をフライバイし、間近から観測しました。
この画像は、後年に土星探査機「カッシーニ」が撮影した画像などと比べると解像度は低いものの、その歴史的な探査の過程で得られた一枚として知られています。

パイオニア11号は、日本時間1973年4月6日11時11分(以下、日本時間)に打ち上げられました。その後、1974年12月3日に木星へ最接近し、木星の重力を利用して土星へ向かう飛行経路に入りました。そして、1979年9月2日1時31分ごろ、土星へ最接近しました。
このときパイオニア11号は、土星の雲頂から約2万900kmまで接近し、時速約11万4000kmで通過しました。これは、ボイジャー2号が1981年に通過した約4万1000kmよりも、土星の雲頂に近い距離です。
また、土星本体の下に見える小さなオレンジ色の点は、土星最大の衛星「タイタン」です。タイタンは厚い大気に覆われているため、表面の模様が見えない、かすんだ球体として写っています。
なお、画像には観測データの技術的な異常に起因する乱れも残されています。NASAは、環の輪郭や土星に落ちる環の影に見られる不規則な部分について、後に修正された予備データの技術的な異常によるものと説明しています。
パイオニア11号は、このフライバイで土星やその環、衛星などを観測し、計440枚の画像を地球へ送りました。
ボイジャーの飛行経路を確かめた先導役
パイオニア11号の土星探査には、2年後に土星を訪れるボイジャー2号の飛行経路を確認する役割もありました。
NASAは、パイオニア11号に土星の内側の環を通過させるか、主要な環の外側を通過させるかで検討を重ねました。内側の環を通過する経路では、より多くの科学的成果が期待できる一方、探査機が環の粒子に衝突する危険性も高まります。
これに対し、主要な環の外側を通過する経路は、得られる成果が限られるものの、ボイジャー2号が土星の重力を利用して天王星と海王星へ向かうために通過する予定の経路でした。そこでNASAは、ボイジャー2号の安全な飛行を優先し、パイオニア11号に外側の経路を通過させました。
このように、パイオニア11号は人類初の土星探査機であると同時に、ボイジャー2号の進路を確かめる先導役も担いました。
その後、パイオニア11号は太陽系の外へ向かう軌道を飛行し、1990年2月23日に海王星の軌道を越えました。NASAエイムズ研究センターが最後に交信したのは1995年9月30日です。さらに、同年11月24日には数分間の良好な技術データが受信されました。当時、探査機は地球から約64億km以上離れていました。
編集/sorae編集部
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参考文献・出典
- NASA - Pioneer 11
- NASA – Pioneer 11 Image of Saturn and Its Moon Titan
- NASA - 40 Years Ago, Pioneer 11 First to Explore Saturn
- NASA - Pioneer 11 at Saturn










