
(引用元:NASA)
今回紹介するのは、ブラックホールと恒星からなる連星系「はくちょう座X-1(Cygnus X-1)」を描いた想像図です。右側には青白く輝く青色超巨星、左側にはそこから流れ込んだガスが輝く降着円盤と、ブラックホールから噴出するジェットが描かれています。
- Image Credit: International Centre for Radio Astronomy Research
- ICRAR - First black hole ever detected is more massive than we thought

はくちょう座X-1は、1964年のロケットによるX線観測で見つかった「ブラックホール研究における最古参の候補」のひとつです。連星をなす超巨星の動きなどから、中心天体は太陽よりずっと重く、通常の恒星や中性子星では説明できない“見えない質量”を持っていることが判明しました。このことから、当時より「ここにはブラックホールがあるに違いない」と有力視されてきました。
その後の観測、とくに1970年代に行われた詳細な解析によって、中心天体の質量は中性子星として存在できる限界(太陽の約3倍)を超えていることが濃厚となりました。そして1990年には、かのスティーヴン・ホーキング博士もこの天体がブラックホールであることを事実上認め、はくちょう座X-1をめぐる「有名な賭け」に決着がつきました。こうした経緯もあって、「はくちょう座X-1はブラックホールである」という見方は広く受け入れられるようになりました。
さらに近年の研究では、その質量について新たな事実も判明しています。最新の観測データ(2021年発表)によると、質量は従来の推定よりも重い「太陽の21倍」に達すると見積もられています。 発見から半世紀以上を経てなお、はくちょう座X-1はブラックホール研究の“教科書的な天体”として、私たちに新しい知見を与え続けているのです。
編集/sorae編集部
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