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アストロスケールは2026年9月1日、スペースデブリ(宇宙ごみ)除去ミッション「ADRAS-J2」の打ち上げに向けて、欧州のロケット打ち上げ事業者Isar Aerospace(イザール・エアロスペース)SEと契約を締結したと発表しました。

ADRAS-J2はロケット「Spectrum(スペクトラム)」に搭載され、ノルウェーのアンドーヤ宇宙港にある専用の打ち上げ施設から2027年度に打ち上げられる予定です。

参考画像:ノルウェーのアンドーヤ宇宙港にある発射台に設置されたIsar Aerospaceの「Spectrum」ロケット(Credit: Isar Aerospace)
【▲ 参考画像:ノルウェーのアンドーヤ宇宙港にある発射台に設置されたIsar Aerospaceの「Spectrum」ロケット(Credit: Isar Aerospace)】

ADRAS-J2は、大型デブリの除去技術実証を目指すJAXA(宇宙航空研究開発機構)の「商業デブリ除去実証(CRD2)」フェーズIIとして開発・実施されるミッションです。このミッションでは、長期間軌道上に残されているH-IIAロケット上段へ接近して捕獲し、軌道離脱させることで除去技術を実証します。対象のロケット上段は全長約11メートル、直径約4メートル、重量約3トンです。

アストロスケールによると、公開情報の範囲では、実際の大型デブリを対象とした本格的な除去は実現していません(2026年7月時点)。

捕獲対象は「ADRAS-J」が観測したデブリ

ADRAS-J2は、CRD2のフェーズIとして2024年に打ち上げられた「ADRAS-J」の後続ミッションです。ADRAS-Jは実際のデブリへ接近し、50メートルの距離を保った周回観測や15mまでの接近、衝突回避機能などを実証しました。

アストロスケールの商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」で約50m離れた位置から撮影した観測対象の大型デブリ(H-IIAロケット15号機の上段)(Credit: アストロスケール)
【▲ 参考画像:アストロスケールの商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」が約50m離れた位置から撮影した観測対象の大型デブリ(H-IIAロケット15号機の上段)(Credit: アストロスケール)】

ADRAS-J2が捕獲・除去するのは、ADRAS-Jが接近・観測したH-IIAロケット上段です。捕獲箇所として想定されている衛星分離部「PAF」も撮影され、大きな損傷がないことが確認されています。現在はADRAS-Jで得られた知見をもとに接近技術を成熟させ、ADRAS-J2の製造を進めています。

低軌道に最大1トン、柔軟な軌道投入が可能なSpectrum

Spectrumは、Isar Aerospaceが設計・製造する2段式ロケットです。低軌道(LEO)へ最大1トンのペイロードを投入でき、ミッションに応じた軌道投入に対応します。

Isar Aerospaceは2018年に設立され、ドイツのミュンヘン近郊に本社を置いています。Spectrumは2025年3月30日に初飛行しましたが、飛行は打ち上げから約30秒後に終了し、軌道投入には至りませんでした。現在は2回目の飛行に向けた準備が進められています。

また、同社は2026年3月、アストロスケール英国が進める退役衛星除去ミッション「ELSA-M」をSpectrumで打ち上げる契約を締結しています。

 

文・編集/sorae編集部

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参考文献・出典