JAXAの「だいち2号」、噴火警戒が続く桜島を緊急観測

DAICHI 2
Image Credit: JAXA
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月19日、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)を使い、噴火警戒が続く桜島を緊急観測を実施していると発表した。
これは、気象庁の火山噴火予知連絡会からの要請を受けて、8月16日から行われているもので、観測データは国土地理院や関連防災機関にただちに提供され、地殻変動の解析が行われているという。
「だいち2号」はJAXAが開発した地球の観測を目的とした人工衛星で、2014年3月24日にH-IIAロケットで打ち上げられた。「だいち2号」には「PALSAR-2」と名付けられた合成開口レーダー(SAR)が搭載されており、夜間や雲の有無に関係なく、地表の様子を観測することができる。
今回公開された画像は、PALSAR-2によって得られたデータを、干渉SARと呼ばれる解析にかけたもので、桜島の南岳山頂火口の東側の広い範囲(白枠部分)で、2015年1月4日と同年8月16日のデータを比較した結果、最大で16cm程度の衛星方向に近づく変位があったことが確認できたという。
干渉SAR解析とは、2回の観測データの差を取ることにより、地表の変位(地面がどれだけ動いたか)を測定できる解析方法のことで、インターフェロメトリ(InSAR)とも呼ばれる。色は2回の観測での差を表し、地表が衛星に近づくほど緑→赤→青→緑に、逆に衛星から遠ざかるほど、緑→青→赤→緑の順に色が表れるようになっている。
また、赤外カメラ(CIRC)による観測結果から、南岳付近の地表面温度が周囲と比べ高く見えることも観測されたという。
JAXAは気象庁地震火山部との共同研究協定に基づき、火山噴火予知連絡会に設置された「衛星解析WG(火山WG)」により監視・観測体制の充実などが必要な火山と指定された47火山について、「だいち2号」による定期的な観測を実施している。また、噴火等の異常時には火山WGからの要請を受け、「だいち2号」による緊急観測を実施している。
気象庁によると、桜島では8月15日7時ごろから、島内を震源とする地震が多発しており、大規模な噴火が発生する可能性が非常に高いとして、同日10時15分には噴火警戒レベルが3(入山規制)から4(避難準備)へと引き上げられた。この「だいち2号」による観測の後、8月19日と21日には小規模な噴火も確認されている。
気象庁はきょう21日、「桜島では、現時点では、規模の大きな噴火が発生する可能性は8月15日時点に比べて低下していますが、今後の活動の変化を注意深く監視する必要があります」と発表。噴火警戒レベル4の噴火警報を継続し、厳重な警戒を呼びかけている。
JAXAは2006年から2011年にかけて、「だいち2号の」先代となる「だいち」を運用していた。「だいち」は光学センサー(カメラ)と合成開口レーダーの両方を駆使して地表をくまなく観測し、得られたデータは国内外の地震などの災害対策、対応や、不法投棄や違法伐採の摘発などに活用された。「だいち」は当初3年とされていた設計寿命を過ぎてからも運用され続け、2011年3月11日の東日本大震災後の観測でも活躍した。
「だいち2号」はその後継機として、「だいち」からさらに改良された合成開口レーダーを搭載し、日夜観測を続けている。
JAXAでは、引き続き「だいち2号」による観測を継続し、防災機関による桜島の監視に貢献していくとしている。
■JAXA | 「だいち2号」による桜島の緊急観測について
http://www.jaxa.jp/press/2015/08/20150819_daichi2_j.html

ページ上部へ戻る