長征四号乙ロケット、地球観測衛星「遥感衛星二十一号」の打ち上げに成功

CZ-4B launches Yaogan 21 and Tiantuo 2
Image credit: 中央政府门户网站
 中華人民共和国は9月8日、地球観測衛星「遥感衛星二十一号」と、小型衛星「天拓二号」を搭載した、長征四号乙ロケットの打ち上げに成功した。中国はこの1ヶ月間で4機のロケットを打ち上げており、今年も毎年恒例の、打ち上げラッシュの時期を迎えている。
 ロケットは中国標準時2014年9月8日11時22分(日本時間2014年9月8日12時22分)、山西省にある太原衛星発射センターの9号発射施設から離昇した。その後、中国政府や国営メディアは打ち上げ成功と発表した。
 また、米国の宇宙監視ネットワークも、高度476 x 493km、傾斜角97.4度の軌道上に3つの物体を検知しており、衛星が軌道に乗っていることが裏付けられている。
 中国政府の発表によれば、遥感衛星二十一号は地球観測(リモート・センシング)衛星で、科学試験や災害対策、農作物の管理を目的としているとされる。だが、軍事目的でも使用されていることは半ば公然の秘密となっている。
 遥感と名の付く衛星には、電子光学センサーを搭載するものと、合成開口レーダー(SAR)を搭載するもの、そして3機編隊で海洋を監視する中国版NOSS(Naval Ocean Surveillance System)の、大きく3種類があるとされている。今回軌道に乗った物体は3つで、これは遥感衛星二十一号と天拓二号、そしてロケットの第3段と考えられることから、遥感衛星二十一号は中国版NOSSではないことが分かる。
 そして、公開された想像図からは、遥感衛星二十一号が電子光学センサーを搭載している様子が見て取れる。加えて、長征四号乙を使い、高度500kmの軌道に打ち上げられたSAR型の遥感衛星は存在しないため、やはり電子光学センサー搭載型である可能性が強い。
 また、電子光学センサー搭載型の遥感衛星は、高度500kmと650km、そして1,200kmの、大きく3種類の軌道に配備されている。これには、狭い範囲ながら高い分解能での観測から、低い分解能ながら広い範囲の観測まで、まんべんなくカバーする意図があるのだろう。
 高度500kmの軌道にはこれまで、遥感衛星五号(2008年打ち上げ)、遥感衛星十二号(2011年)、そして今回の遥感衛星二十一号が打ち上げられている。また2012年に打ち上げられた遥感衛星十四号も似た軌道を飛んでいるが、遥感衛星五号らとは異なる外見をしており、より先進的な機器を積んだ、試験機のような位置付けであると思われる。
 ちなみに、高度650kmの軌道には遥感衛星二号(2007年)、遥感衛星四号(2008年)、遥感衛星七号(2009年)、遥感衛星十一号(2010年)が、そして高度1,200kmの軌道には遥感衛星八号(2009年)、遥感衛星十五号(2012年)、遥感衛星十九号(2013年)が打ち上げられている。
 今回、遥感衛星二十一号と一緒に打ち上げられた天拓二号は、中国人民解放軍国防科学技術大学が開発した。公表されている資料によると、4台のビデオカメラを搭載しており、地表の様子をリアルタイムで撮影し、地上に送信することが可能だという。また地表のある目標を追尾し続けることも可能とされる。打ち上げ時の質量は67kgで、寸法は515 × 524 × 685mmとのことだ。
 なお、天拓一号は、2012年に遥感衛星十四号と一緒に搭載されて打ち上げられているが、天拓二号よりも小さく、9kgしかない衛星だった。
 今回の長征四号乙の打ち上げは、昨年12月9日の打ち上げ失敗以来、2度目のことであった。12月の打ち上げでは、ロケットの第3段エンジンが計画より早く停止してしまい、搭載していた衛星ごと地球に落下した。その後の調査により、失敗の原因は燃料系統にゴミが混入したためであると結論付けられ、部品の品質改善と共に、組み立てや試験といった作業にも改良が加えられたとされる。
 前回の打ち上げ、すなわち失敗後初の飛行再開1号機は8月22日に打ち上げられたばかりで、わずか2週間で、同じロケットを、同一射点から打ち上げたことになる。
 長征四号は上海航天技術研究院(SAST)によって開発、製造されているロケットで、長征二号をベースに、四酸化二窒素と非対称ジメチルヒドラジンを使用する第3段を追加した機体だ。
 長征四号はもともと、長征二号を静止衛星打ち上げロケットに発展させる際に、SASTが提案した構成だ。しかし、同時期に中国運載火箭技術研究院(CALT)が液体酸素と液体水素を使用する第3段を搭載した構成を提案し、最終的にCALT案が選ばれ、これが現在の長征三号となった。一方でCALT案は液体酸素と液体水素を使う先進的な設計であったことから、そのバックアップとしてSAST案も開発が行われた。その後、長征三号が無事に実用化されたため、SAST案は極軌道打ち上げロケットへ転用され、現在の長征四号となった。
 長征四号の最初の機体、長征四号甲は1988年9月6日に初飛行し、1990年9月3日に2機目が打ち上げられ、引退した。その後1999年5月10日に、長征四号甲のフェアリングを大型化し、またエンジンなどに改良を施して打ち上げ能力を高めた長征四号乙が登場。さらに2006年4月26日には、第3段に再点火可能なYF-40エンジンを搭載した長征四号丙が投入された。現在長征四号乙と丙が、主に軍事衛星や地球観測衛星の打ち上げに使用されている。
 長征四号はこれまでに計38機が打ち上げられており、昨年の長征四号乙の失敗以外は安定した打ち上げを続けている。
■我国成功发射遥感卫星二十一号_图片_新闻_中国政府网
http://www.gov.cn/xinwen/2014-09/08/content_2746788.htm

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