中国航天科技集団公司(CASC)は8月22日、同社の第一研究院(中国運載火箭技術研究院、CALT)が開発中の新型ロケット、長征七号のブースターの分離試験を実施したと発表した。

試験は天津にある試験場で行われ、成功。設計の合理性と、技術の正確性が検証できたという。

中国は現在、長征五号、六号、七号、九号、十一号という、新しい長征ロケット・シリーズを開発中だ。このうち、大型ロケットの長征五号、小型ロケットの長征六号、そして中型ロケットの長征七号はモジュラー化を採用し、第1段やブースターを共有している。

長征五号にはK3-1とK2-1と呼ばれる2種類のブースターが用意されている。K3-1の方が大きく、YF-100ロケット・エンジンを2基持っている。K2-1は小型でYF-100は1基だ。これらを組み合わせることで、長征五号の打ち上げ能力を、打ち上げたい衛星に合わせて変えることができるようになっている。

YF-100はケロシンと液体酸素を推進剤とするエンジンで、二段燃焼方式を採用し、推力は約120t(約1,180kN)という極めて高い数値を誇るとされる。もともとはソヴィエト連邦で開発されたゼニート・ロケットの第2段ロケット・エンジンRD-120をコピーしたものだといわれているが、RD-120はかなり高度な技術で造られており、仮に実物が目の前にあったとしても、そう簡単にコピーできるものではない。コピーできたという事実は、それだけで中国のロケット技術の高さを示している。

長征七号は、第1段にK3-1を使い、その周囲にK2-1をブースターとして装着することで構成される。第2段にはYF-115ロケットエンジンを4基持つ。YF-115は推力15t(147kN)ほどのケロシン/液体酸素エンジンだ。また2基のYF-75Dを持つ第3段を追加でき、静止トランスファー軌道や月探査機などの打ち上げにも使える。YF-75Dは現在長征三号シリーズの上段として使われている液体酸素/液体水素エンジンYF-75の改良型とされる。

打ち上げ能力は地球低軌道に1.35t、太陽同期軌道に5.5t、また有人宇宙船なら地球低軌道に12.5tとされる。これまで長征二号、三号、四号が担ってきた主力ロケットの座を引き継ぎ、通信衛星や地球観測衛星などの人工衛星や、有人宇宙船を打ち上げる主力ロケットになる予定だ。

長征七号の初打ち上げは2015年に予定されている。その後長征六号も投入され、2016年に長征五号が打ち上げられる予定だ。

 

■长征七号火箭首次助推分离试验获成功_中国航天科技集团公司
http://www.spacechina.com/n25/n144/n206/n133097/c738164/content.html

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