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【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:ESA/Hubble)

宇宙の深淵に浮かぶ、まるで壮大な絵画や、宇宙というキャンバスに描かれた芸術作品のようにも見えるこの天体。これは、南天の「りゅうこつ座」の方向、約7500光年先に広がる巨大な星形成領域「イータカリーナ星雲(カリーナ星雲)」の一角にある領域です。

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したイータカリーナ星雲の一角にある領域(Credit NASA, ESA, and the Hubble Heritage Project (STScI/AURA))
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したイータカリーナ星雲の一角にある領域(Credit NASA, ESA, and the Hubble Heritage Project (STScI/AURA))】

2005年と2010年にハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ「ACS」によって撮影されたデータを合成したもので、青が酸素、赤が水素の放射として色づけられた疑似カラー画像です。ESA/Hubbleは、この画像を「Cosmic Ice Sculptures(宇宙の氷の彫刻)」と題して2010年9月に公開しています。

削り出される「氷の彫刻」

この画像の右側から中央に向かって斜めに突き出ている濃い(暗い茶色の)部分は、冷たい水素ガスとダスト(塵)で構成された柱構造です。その高さは、約1光年と考えられています。

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この柱が位置する環境は、決して穏やかなものではありません。周囲で誕生した大質量星が放つ強烈な紫外線と恒星風が、この冷たい分子雲を外側から激しく削り続けています。夏の暑い日にアイスクリームが溶けて形を変えるように、宇宙の過酷な環境がこの雲を侵食し、奇妙で幻想的な「氷の彫刻」のような姿を生み出しているのです。

雲の密度が低い部分はすでに吹き飛ばされ、密度が高い部分だけが柱として残っています。しかし、その柱の内部は外部の強烈な放射が届きにくく、冷たく高密度な環境が保たれています。NASA(アメリカ航空宇宙局)によれば、この濃密な構造の内部では、今まさに新しい星が誕生している可能性があると考えられています。

「ミスティック・マウンテン」との違い

イータカリーナ星雲の一角にある「ミスティック・マウンテン」(Credit: Hubble, NASA, ESA; Processing: Judy Schmidt)
【▲ イータカリーナ星雲の一角にある「ミスティック・マウンテン」(Credit: Hubble, NASA, ESA; Processing: Judy Schmidt)】

同じイータカリーナ星雲内には、soraeでも繰り返し紹介してきた「ミスティック・マウンテン」と呼ばれる有名な柱構造があります。高さ約3光年のミスティック・マウンテンに比べると、今回の柱は高さ約1光年とやや小ぶりといえます。

また、ミスティック・マウンテンの画像では、頂上付近から若い星のジェット(HH 901やHH 902などのハービッグ・ハロー天体)が噴出している様子がはっきりと確認できます。しかし今回の「氷の彫刻」にはそうした明確なジェットは見当たらず、星の誕生がまだ雲の奥深くで隠されている段階なのかもしれません。

どちらも大質量星の放射に削られている点では共通しており、数百万年以内に消えてしまう運命にあると考えられています。

 

編集/sorae編集部

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参考文献・出典

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