中国は日本時間2024年5月3日に、月探査機「嫦娥6号(Chang'e 6)」を搭載した「長征5号」ロケットの打ち上げを実施しました。中国国家航天局(CNSA)は嫦娥6号を月遷移軌道へ投入することに成功したと発表しています。
打ち上げに関する情報は以下の通りです。
■打ち上げ情報:長征5号(Chang'e 6)
ロケット:長征5号(Long March 5)
打ち上げ日時:日本時間2024年5月3日18時27分【成功】
発射場:文昌衛星発射センター(中国)
ペイロード:嫦娥6号(Chang'e 6)
嫦娥6号はCNSAによる月探査ミッションの無人探査機です。地球からは直接見ることができない月の裏側に着陸し、約2kgのサンプルを採取して地球へ持ち帰るサンプルリターンを目的としています。
日本時間2024年5月3日18時27分に海南省の文昌衛星発射センターから長征5号ロケットで打ち上げられた嫦娥6号は、発射約37分後に長征5号の2段目から分離され、月遷移軌道に投入されました。着陸目標地点は南極エイトケン盆地にあるアポロ・クレーター(Apollo、アポロ盆地とも。直径約524km)の南部で、ミッション期間は約53日間とされています。ミッションが成功すれば、月の裏側からのサンプルリターンは世界初となります。
嫦娥6号の機体は2020年11月~12月にミッションが実施された同国の月探査機「嫦娥5号」と同様に、周回機・着陸機・上昇機・帰還機で構成されています。月周回軌道に到着してからは上昇機を乗せた着陸機が周回機から分離して月面へ着陸し、スコップやドリルを使って月の表面と地下からサンプルを採取。サンプルを収めた上昇機は月面を離れて月周回軌道に乗り、待機していた周回機とドッキングします。サンプルは上昇機から帰還機に移し替えられた後に地球へ持ち帰られます。
また、嫦娥6号にはカメラの他にスウェーデンと欧州宇宙機関(ESA)の月面負イオン検出器「NILS」、フランスのラドン検出器「DORN」、イタリアのレーザーリトロリフレクター(再帰反射器)「INRRI」、それにパキスタン宇宙技術研究所(IST)の超小型衛星「ICUBE-Q」が搭載されています。ICUBE-Qは月面撮影用に独自のカメラを搭載しており、月周回軌道到着後に放出される予定です。
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文/sorae編集部 速報班 編集/sorae編集部