【▲打ち上げ直後の「長征5号B」ロケット(Credit: CASC)】

中国は日本時間2022年10月31日に、中国国営企業「中国航天科技集団(CASC)」が開発した「長征5号B」ロケットの打ち上げを実施しました。搭載されていたのは中国独自の宇宙ステーション「天宮」用の実験モジュール「夢天」で、打ち上げ翌日の11月1日に天宮のコアモジュール「天和」へのドッキングに成功したことが複数の中国メディアによって報じられています。

打ち上げに関する情報は以下の通りです。

■打ち上げ情報:長征5号B(CZ5B Y4)

ロケット:長征5号B(CZ5B Y4)
打ち上げ日時:日本時間2022年10月31日16時37分【成功】
発射場:文昌衛星発射センター(中国)
ペイロード:夢天(Mengtian)

長征ロケットシリーズの打ち上げは、今回で446回目となります。

■ペイロード情報:夢天(Mengtian)

夢天は、中国が独自に建設を進めてきた宇宙ステーションの「天宮(Tiangong)」の2つ目の実験モジュール(LCM:Laboratory Cabin Module)で、CASCの子会社の上海宇宙飛行技術学院(SAST)が開発しました。夢天は天宮宇宙ステーションを構成する主要なコンポーネントの1つでもあり、軌道上で様々な実験や研究が行われる予定です。

夢天は打ち上げ翌日の11月1日5時27分(日本時間)に、天和コアモジュールの前方へドッキングすることに成功しました。このあと夢天は天和の左舷側ドッキングポートに移設されます。主要な3つのモジュール「天和(Tianhe、コアモジュール)」「問天(Wentian、実験モジュール)」「夢天(実験モジュール)」がドッキングした天宮宇宙ステーションは、最終的にT字型になります(下に掲載のミッションパッチを参照)。

【▲参考画像:実験モジュール「夢天」(Credit: Leebrandoncremer)】

■コアステージは近日中に大気圏へ再突入か

長征5号Bロケットは全長約33m・直径5mのコアステージと4本のロケットブースターのみで構成されていて、ペイロード(衛星や宇宙船などの搭載物)はコアステージが軌道に投入します。そのため、ペイロードを分離したコアステージが軌道に残り、やがて大気圏へ再突入することになります。

過去に3回実施された長征5号Bの打ち上げでは、アフリカのコートジボワール(2020年5月)、インド洋のモルディブ諸島付近(2021年5月)、フィリピンのパラワン島付近のスールー海(2022年7月)に燃え残ったコアステージの破片が落下したとされています。2020年5月の打ち上げでは地上の建物に被害が生じていますし、軌道上物体に詳しい天体物理学者のJonathan McDowellさんによると、2022年7月の問天モジュール打ち上げに使われた長征5号Bのコアステージはボルネオ島で破片の一部が見つかっています。

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McDowellさんによれば、今回の夢天モジュール打ち上げ後に軌道に残ったコアステージは、近地点171km・遠地点312km・軌道傾斜角41.5度の軌道を周回する宇宙物体(衛星カタログ番号54217)としてカタログに登録されました。過去の打ち上げでは、コアステージは打ち上げから7日~10日ほどで再突入しています。今回のコアステージが今後どこで大気圏に再突入するのかはまだわかりませんが、赤道をはさんで北緯41.5度から南緯41.5度の範囲であればどこでも、再突入時に燃え残った破片が落下する可能性があります。

■打ち上げ関連画像・映像

【▲CZ5B Y4のミッションパッチ(Credit: CMSA)】

■打ち上げ関連リンク

 

Source

  • Image Credit: CASC, CMSA, Twitter, Leebrandoncremer
  • CASC - 长五B火箭成功送梦天 中国天宫近在咫尺
  • CMS (Weibo)
  • Jonathan McDowell (Twitter)

文/sorae編集部 速報班

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