ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)社は8月12日、オービタルATK社から2機目となる「シグナス」補給船の打ち上げを受注したと発表した。同社が運用する「アトラスV」ロケットを使用し、2016年に打ち上げられる予定となっている。
オービタルATK社は、自社で開発した「アンタレス」ロケットとシグナス補給船を使い、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を補給するミッションを担っている。しかし、2014年10月28日にアンタレスが打ち上げに失敗し、シグナス運用3号機(Orb-3)が失われるという事故が発生し、原因調査とロケットの改良を行うため、アンタレスの打ち上げができない期間が生じることになった。
そこでオービタルATK社は、次のシグナス補給船運用4号機(OA-4)の打ち上げを、ULA社のアトラスVロケットに委託することを決め、2014年12月9日に契約を交わしている。打ち上げは、現在のところ今年12月前半に予定されている。
今回の契約はそれに続く2機目となるもので、打ち上げは2016年に行われるという。
アトラスVはアンタレスよりも打ち上げ能力が大きいため、より多くの補給物資を運べるようになっている。またシグナス補給船も、この運用4号機(OA-4)から、機体を大きくした改良型シグナス(Enhanced Cygnus)となり、より多くの物資を積み込むことができるようになる。従来型の搭載能力は2000kgだったが、改良型は3500kgまで搭載できるという。
ULA社のトリー・ブルーノ社長兼CEOは「私たちはこの2番目のシグナス打ち上げミッションにおいて、オービタルATK社というパートナーと共に働けることを楽しみにしています。我々の高い信頼性を持つアトラスVロケットは、3500kgの最大まで貨物を搭載したシグナス補給船を、ISSに送り届けるのに必要な能力を提供します」と述べた。
オービタルATK社のデイヴィッド・トンプソン社長兼CEOは「私たちのチームと、パートナーたちは、NASAによるISSへの商業補給サーヴィス(CRS)の成功を確実にするため、最大限の努力を捧げています。私たちはCRSミッションにおける要件をすべて満たしていることを約束し、ISSへの補給を続ける準備をしています」と語った。
なお、オービタルATK社では、事故の原因と見られているロケット・エンジンを別のものに換装した、改良型アンタレスの開発を続けており、2016年に打ち上げられる予定となっている。この改良型アンタレスは従来型よりも打ち上げ能力が向上するため、アトラスVとほぼ同様の物資を運ぶことができるという。
オービタルATK社では、2016年中に改良型アンタレスによる改良型シグナスの打ち上げを2機から3機、アトラスVによる改良型シグナスの打ち上げを1機、計画しているという。
■Atlas V to Launch Second Mission to ISS - United Launch Alliance
http://www.ulalaunch.com/ula-to-launch-second-orbital-atk-cygnus.aspx?title=United+Launch+Alliance+to+Launch+Second+Orbital+ATK+Cygnus+Spacecraft+to+International+Space+Station+on+Cargo+Mission