ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)はモスクワ時間6月9日、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしているソユーズTMA-15M宇宙船のスラスター(小さなロケット・エンジン)が、意図せず噴射するという問題が起きたと発表した。
この問題は、モスクワ時間2015年6月9日18時32分(日本時間2015年6月10日0時32分)、ソユーズTMA-15MとISSとの間で行われていたランデヴー・ドッキング・システムの通信試験中に発生したという。この試験自体は日常的に行われていることであり、特殊な内容ではなかったとされる。
スラスターが噴射したことでISSの姿勢が変化したものの、すぐに立て直されたという。ISSの船体や、滞在している宇宙飛行士への影響はまったくなく、また6月11日に予定されているソユーズTMA-15Mの地球への帰還予定にも影響はないとしている。なお、どのスラスターが噴射したのか、また噴射時間はどれぐらいだったのかといった情報は明らかにされていない。
現在、ロスコスモスの専門家が原因を調査しており、新しい情報が見つかり次第、発表するとしている。
またカナダ人の元宇宙飛行士で、ソユーズ宇宙船に搭乗し、2012年12月から2013年5月までISSに滞在した経験を持つクリス・ハドフィールド(Chris Hadfield)氏は、Twitterにおいて「6か月間ISSにドッキングし続けていたソユーズ宇宙船が再起動される際、姿勢制御システムが不意に起動し、スラスターが噴射することは十分起こりうる。まったく問題はない。同じ問題はISSの第7次長期滞在(Expedition 7、2003年4月23日から10月27日)のミッション中にも起きたことがある。燃料を少し消費することになるが、ソユーズ宇宙船には十分な量の燃料が積まれている」と述べている。
■РОСКОСМОС: ИНФОРМАЦИОННОЕ СООБЩЕНИЕ
http://www.roscosmos.ru/21530/