1995年に打ち上げられた米空軍の気象衛星が由来と思われる、大量のスペース・デブリ(宇宙ゴミ)が軌道上に発生したことが、2月26日に米戦略軍が提供するデータや宇宙ファンらによる観測などから明らかになった。

現時点でデブリの数は26個まで確認されている。デブリの発生源とされるのは、米空軍が1995年に打ち上げたDMSP 5D-2 F13と呼ばれる軍用の気象衛星で、すでに設計寿命を超えており、また2006年からは定常運用からはずれ、バックアップ運用に就いていた。DMSPは複数の衛星からなるシステムで、DMSP 5D-2 F13は現在運用されているDMSP衛星の中で最も古い衛星でもあった。

また、人工衛星の軌道情報を扱うウェブサイト『CelesTrak』の管理人であるT.S. Kelso氏の分析によれば、これらのデブリは2月3日に発生したと思われるとのことだ。

DMSP 5D-2 F13は高度800kmの、地球を南北に回る太陽同期軌道にあり、デブリもこの周辺の、高度300kmから1,000kmまでに散らばっている。この周辺の軌道は多くの人工衛星が回る交通量の多い場所であり、今回発生したデブリが他の衛星に衝突し、さらに新しいデブリを生み出す事態になる可能性は、他の軌道と比べると比較的高い。

デブリが発生した原因はまだ明らかになっていない。例えばバッテリーや推進剤タンクが爆発した、あるいは別のデブリが衝突した、などといった可能性が考えられる。

なお現時点で、米空軍などから公式の発表は行われていない。

 

Source

  • Space-Track.Org