ロシア国営通信社RIAノーヴォスチは2月25日、現在建造が進められている、国際宇宙ステーション(ISS)のロシア側モジュールのひとつである「多目的実験モジュール」(略称MLM、愛称「ナウーカ」)について、製造を担当しているGKNPTsフルーニチェフ社のアンドレーイ・カリノーフスキィ総裁が「ナーウカは2016年2月に製造を終えるだろう」と語ったと報じた。
ナウーカは打ち上げ後、国際宇宙ステーションのズヴィズダー・モジュールに結合され、その名前の通り実験を行う研究所として、また宇宙飛行士の生活空間としても利用される予定となっている。現在のところ打ち上げは2017年2月に予定されている。
ナウーカは当初2007年に打ち上げが予定されていたが、延期され続けている。2012年にはフルーニチェフ社での製造が完了し、打ち上げ前の試験のためにRKKエネールギヤ社へと送られたが、試験中に何らかの問題が起き、フルーニチェフ社へ送り返されたことがわかっている。
いくつかの報道によれば、エネールギヤ社での試験中に燃料バルブから燃料が漏れるという不具合が発生し、かなり大規模な修理が必要になったとされる。また、おそらくその燃料漏れが原因で、推進システム自体に汚染が広がっていることも判明したという。ロシアの宇宙開発フォーラム・サイトの『ノーヴォスチ・コスモナーフティキ』に投稿された情報によれば、汚染は燃料タンクまでは及ばなかったものの、配管はすべて取り替える必要が生じたという。また打ち上げが遅れたことで、スラスターが設計寿命を超えてしまったために交換する必要が生じ、さらに新しいスラスターの生産には8か月かかるとされていた。
なおロシア連邦宇宙庁は2月24日に、2024年に国際宇宙ステーションからナウーカを含む3つのロシア・モジュールを切り離し、独自の宇宙ステーションの基礎とする方針を発表している。
■Центр Хруничева завершит сборку модуля для МКС в феврале 2016 года | РИА Новости
http://ria.ru/space/20150225/1049576138.html