ロシアのインタファクス通信は1月5日、プロトン・ロケットの打ち上げを、2025年をもって終えることを検討していると報じた。またロシアの他紙も、このインタファクス通信の報道を引用する形でそれぞれ報じている。
これはカザフスタン宇宙局の副長官が同紙に明かしたもので、カザフスタン共和国とロシア連邦の間で、カザフスタンの領内にあるバイコヌール宇宙基地からのプロトンの打ち上げを。今後徐々に減らし、そして2025年をもって完全に終了させることを検討しているという。
プロトンはバイコヌール宇宙基地からしか打ち上げができず、またロシア極東部に建設中のヴァストーチュヌィ宇宙基地にはプロトン用の発射台は造られないことから、プロトンの運用そのものが2025年に終了するということになる。
ロシアは現在、カザフスタンに年間1億1500万ドル(約137億円)を支払い、バイコヌール宇宙基地を借りた上で、プロトンやソユーズなどのロケットの打ち上げを続けている。しかし、分離した第1段機体などがカザフスタン領内に落下すること、また特にプロトンは毒性のある推進剤を使っていることなどから、カザフスタン側は度々、運用の継続に難色を示すこともあった。もっとも、カザフスタンにとっては大きな収入源でもあるため、その態度はあやふやな状態が続いている。
一方、ロシアは現在、プロトンに代わる新しいロケット、アンガラA5の開発を進めており、昨年12月23日には試験打ち上げに成功している。またヴァストーチュヌィ宇宙基地は2020年ごろに完成する見込みで、両者が揃えば、わざわざカザフスタンに賃料を支払い続けてまで、バイコヌール宇宙基地からプロトンを打ち上げる必要性は薄れることになる。
■Пуски ракет "Протон" с Байконура прекратят в 2025 году - Интерфакс
http://www.interfax.ru/world/416755