三菱重工業株式会社と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月28日、11月30日に予定していた小惑星探査機「はやぶさ2」を搭載したH-IIAロケット26号機の打ち上げについて、天候不良により延期すると発表した。

新しい打ち上げ日時はまだ決まっていないが、12月1日以降になるとのことだ。

延期の原因は、打ち上げが行われる時間帯に、氷結層を含む雲の発生が予想されたためだ。氷結層とは雲の中の0度から-20度の温度域を指しており、その温度域の水分が対流により衝突しあうことで帯電し、そこをロケットが通過すると雷を誘発することがある。もし雷がロケットに落ちてしまえば、電子機器などに影響が出る可能性がある。

H-IIAロケット、H-IIBロケットの打ち上げが延期されるのは、H-IIA 20号機以来のことで、奇しくもこのときも氷結層が原因での延期だったという。

打ち上げが可能な期間は、11月30日から12月9日までの約1週間が確保されており、この間に再設定されることになる。なお、今回の1週間というのは、打ち上げにまつわる手続きの上において確保されているもので、この期間を逃すと小惑星1999 JU3への打ち上げ自体ができなくなる、というわけではない。ただ、小惑星との位置関係やロケットの能力などの制約から、「はやぶさ2」を打ち上げられる期間には制限があり、何か月も延ばせるものでもない。

なお、「はやぶさ2」は9月22日から、またロケットは10月28日から種子島宇宙センターでの作業が開始され、今日まで順調に組み立てや試験が行われてきており、天候以外は万全であったとのことだ。

 

■JAXA | H-IIAロケット26号機による小惑星探査機「はやぶさ2」(Hayabusa2)の打上げ延期について
http://www.jaxa.jp/press/2014/11/20141128_h2af26_j.html